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保育と環境のつながりについて |
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初めまして。私は、新潟県栃尾市立秋葉中学校に通っている、内山亜矢加と言います。今、学校の総合学習の時間で調べ学習をしていて、私は『保育と環境のつながりについて』調べています。そこで、私の保育に関するちょっとした疑問に答えてほしいんですけど、よろしいですか??
1→保育に自然は必要だと思いますか??
2→東京や大阪などの都会の保育園の近くに木などの自然があるといいと思いますか??
その他に、意見も聞かせてください!!お願いします。
それでは。
(あやか さん)
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あやか さん、ご指名ではないのですが、ひとことよろしいでしょうか?旭幼稚園、副園長の井上です。
幼稚園の教育は「環境による教育」と言われています。だって幼稚園に教科書はありません。小学校なら「1年生は漢字をいくと覚えて、2ケタの足し算ができて」というように、学年によって教えるべき内容(覚えるべき内容)が決まっています。でも、幼稚園はこのようなものがありません。
では、それで、どうして「教育」だと言えるのか…。それは体験を学習の基礎にしているからです。
例えば、庭にホースで水をまいている場合があったとします。ホースの先をつぶすと水が勢いよく遠くまで飛ぶ。物理でしたら、水圧の関係とか、ベルヌーイの定理などというもので説明しますが、子どもにとってみれば、とにかく力を入れてホースの先をつぶせば遠くまで飛ぶ、ということを知ります。これも学習です。
飛ばしっこ競争にでもなったら、お互い力まかせにホースをつぶして、できるだけ遠くに飛ばそうとするでしょう。でも、角度が悪いと遠くまで飛ばない…。理想の角度は45度付近、ということを体験として「学習」します。
場合によったら、偶然「虹」ができることもあるでしょう。「光の屈折」などということを言わなくても、体験として「太陽を背にして水をまくと虹が出る」ということがわかる。これも大切なことです。
このように、様々な身の回りのこと、全てを学習の素材として、知識ではなく体験として「遊び」という形として、蓄積していくことが幼児教育の本質である、と考えます。ですから子どもの「遊び」は大人の感覚で言う「仕事」と対になっている、レジャーとしての「遊び」ではありません。子どもは仕事とレジャーを区別していません。面白そうだからやる。ですから幼稚園の場合は「遊び」は「総合活動」の意味と、自分の心を開放する時間、両方の意味を持っているのです。
ですから環境は大切です。でも、環境と呼ばれるものの中には自然や遊具、おもちゃ類などといった「物的環境」もありますが、それ以上に大切なのが回りの友達や先生などの「人的環境」だと思います。
例えば子どもが不思議なものを見つけた場合。それを直ぐ回答として出すのではない「いっしょに考えよう」と子どもの興味や好奇心を上手くとらえて、より考えが深まるような場所を作ってあげられたら、よりいっそう活動が発展すると思います。
そんな意味で、私は「子どもの気持ちがわかる先生」のいる幼稚園。この人的環境が一番重要と考えます。新しい建物だって、いつかは古くなります。でも、子どもの気持ちを理解できる先生は絶対に古くなりません。
保育に自然は必要か?園内に自然は必要か?というご質問ですが、ないよりはあったほうが当然いいです。だって素材が増えたことと同じです。季節の変化を感じられるし、それが新しい発見にもつながります。
東京のある幼稚園です。庭が狭く、木を植える場所がない。そこで屋上のベランダにポリバケツをおき、そこに根をはらせ、小さな藤を育てていました。ポリバケツの中にしか根がはれない。そんな状態でも、やはり自然を求めているのです。
「となりのトトロ」や「もののけ姫」といった作品を出している宮崎駿監督は「緑」「自然」にこだわります。自然を代表する色「緑」を大切にします。それはなぜか。自然あっての私達ということを訴えたいからだと思います。そんな意味から、自然は人間が生きていくうえで重要な要素である、ということがいえます。
あやかさんも難しいテーマを学習材料にしましたが、一生懸命調べてください。そして、そのうえで「自分ならこう考える」ということ、これを大切に、次に「子ども」の視点で「子どもだったら、こう考えるだろう」「私が子どもだったら、こうするだろう」ということを想像しながら勉強してみてください。きっと今までと違った視点で「環境」が見えてくると思いますよ。
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(アドバイザー:井上智賀) |
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あやかさん、こんにちわ。
えんどうです。
中学で保育に関する学習をしえいるようで、ぜひ幼稚園、保育園への体験をしてほしいなと、思います。
そして、実際の保育をみると、より勉強になると思います。
あやかさんの育った環境に、自然があることで、あやかさん自身は、どう思いましたか、どんな思い出があるでしょう。
友達にも聞いてみると、自然が必要か、答えがでてくるでしょう。
私は、東京の真中くらいの保育園に勤めています。
どんな都会でも、必ず自然はあると思います。
多いか、少ないかは、あるかもしれませんが、園庭には土があり、植木があり、公園には大きな木や花もあり、昆虫もたくさんいます。
余談ですが、私は、心理の勉強を始めてから、環境ということでは、保育にとって、人的環境が、何より大切という思いになりました。
どんなに自然が豊富な環境にいても、まわりの大人が、子どもたちに与える影響は、計り知れないでしょう。
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(アドバイザー:遠藤けいこ) |
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