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アドバイザースタッフに聞きたい!

これまでのQandA
幼稚園・保育園 園や担任の先生への不満
遊具事故、園の対応に不満
5月9日幼稚園で遊具事故がありました。5歳(年中)男の子です。

息子の通っている幼稚園は9時登園。それぞれに、制服から着替え外遊びといったカリキュラムです。着替えの早い子は9時10分には、外に居たそうです。息子も着替えが早いほうで、滑り台で遊んでいたそうです。事故はその時起きました。滑り台の滑る所と手摺りの間に、着用していたジャンパーのフードに付いていた、プラスチックの留め金が引っかかり、窒息になりました。息子が発見された時は、顔が真っ青で白目を向きよだれを垂らし舌が出ていたそうです。私が園から連絡を受けたのが9時23分頃で、園に着いた時は、泣いていました。でも我子の声ではなく、首を締められたうめくような声で、汗で頭はべチャべチャに濡れ目はつぶったまま、ものすごい力でもがくのと、ぐったりを繰り返しました。

その1時間後30分ほど行った所の総合病院へ転送され、その時には、目を開けていましたが、私を見ることも返事をする事もありませんでした。
この子と又話す事は出来るのですか?との問いに、どちらの病院でも、低酸素状態があったので、元に戻るかどうか判らないと言われました。
でも、2時間半後、目が合い「ママー」と、泣き叫んだのです。それから、3時間後、「ずっと前にこんな事があったの」と、話し出しました。「滑り台で首が苦しくなって誰か〜誰か〜って言ったけど誰も助けてくれなかった。だから、もう幼稚園には行かない。もう帰ってこれなくなる。」と・・・。

お医者さんからは、もう少し様子を見ましょうと、言われました。後から脳が腫れるとか出血することがあると。心配をよそに見る見る回復し、退院する事が出来ました。小児科の先生に滑り台が乗れないとか、泣き叫ぶ、園へ行けない等困ったときは受診しなさいと言われました。
6月から少しずつ通いだしました。私も同伴という形です。カウンセラーにも、かかりました。園に行った事のほうがものすごい事なんだから、この子がお母さんもう来なくていいよ、と言うまでずっと一緒に居てあげなさい、といわれました。

園にもその事を伝え承諾してもらいました。事故後園は休園する事も、父母に説明することもありませんでした。その結果正しい噂は流れませんでした。当初あんな所に引っかかるなんて、まれな事故とも、思いました。先生の、心の傷を思うと、責め立てる事もしませんでした。でも、その滑り台で何度も引っかかっていた事が分かったんです。園側に説明会を開いてほしい、と言うと、100人が100人私たちに同情はしないですよ、反対に中傷する方も居るだろう、と言われました。
私は同情してもらいたいのではない、事実を分かった上で、園に母同伴を理解して貰いたいと訴え実現しました。

それから、様々な事がありました。園側に少し子供から離れる事を進められました。小児科や精神科の先生がゆっくりと、言ったことも伝えましたが、お母さんも子離れ出来る様にとも、言われました。担任が「頑張れるもんね。」と、声をかけ、離れると、「本当は泣きそうなの。でも、先生には言わないで。可愛そうだから。」と、いいます。私が息子に「きっと、先生寂しいんだと思うよ。お母さん居ないとだめなのかな〜先生だけだとだめなのかな〜って思ってるんだよ」と、言ったせいです。

7月25日意識をなくし、救急車で搬送されました。脳波に異常がありました。
先生に、園での生活を言いました。あせるんでない、ゆっくりでいいんだから、と言われました。園にその事を話しました。理解してくれたと思ったんです。なのに、話して1週間も経たない内にしかも、消防署見学の時に、園長から「今日は30分位の見学だからお母さん行かなくてもいいかい。」と言われました。しかも、息子が「今日とっても悲しい夢を見た。海で溺れて誰も助けてくれないの。でも、ママだけが気づいて助けてくれた」と、言った話もしたのに・・・。「今日は救急車も見るんですよね」との問いに「救急車見ると怖がるの?泣くの?」と、聞かれました。話せば分かると思っていたのに。先生のことも十分考えてきたつもりなのに。悲しいです。本当は訴えてやりたかった。この子がどれ程の、恐怖と悲しみを背負ったのか。

何故、滑り台のすぐ脇のお砂場に居た先生は気づかず、子供が先生を呼びに行ったのか。医者の言う、何秒ではない、1,2分放置されたであろう、との事にも、2,3秒しか先生は背を向けていない、医学的な事は分からない、との返事。これから、この子の精神的なケアーを、頑張ろうと、努力してる私達ばかりが、思い悩んでいる様に思えてなりません。

今年隣町の同じ理事長の園が合併し、奥さんが園長をしています。
お砂場に居たのは息子の事務員です。全園児171名6クラス各担任1名の、幼稚園です。我子のクラスは34名です。
裁判を起こさないから、こんな扱いなのでしょうか?補償もお見舞金10万円でした。主人は事故当日出張で、飛行機に乗って離れた所に居り、事故から7時間後に、病院へ着きました。その事は園側も知っており、旅費もいくらだったのか分からないし、どこにも相談してない、経験がないので、どうしたらいいでしょうと、聞いてきました。そんな事は私達が考える事ではないでしょうと返答しました。その事も何も言っては来ません。補償も園が子供に本当に誠意があれば、良かった事で、誠意が感じられないから尚更私達ばかりが・・・。と、思ってしまいます。
とても、とても長くなり申し訳ありません。アドバイスお願いします。

(まま さん)


まま さん、ご相談いただき御礼申し上げます。旭幼稚園、副園長の井上です。ご相談内容、拝見し、胸が痛みました。

基本的に子どもが集まるところ、事故は避けられません。平らな園庭でも、転んでケガをすることもあります。ただ、遊具での事故。これは避けたいと思います。
私の園でも似たような事故がありました。降園時、カバンをしょったまますべり台で遊んでいて、カバンにつけていたキーホルダーがすきまに引っかかりました。幸い一緒に遊んでいた年長さんが、その子を抱きかかえてくれ、事なきを得ました。
その後、すべり台のすきまはパイプを溶接して埋め、カバンは安全性の高いリュックに変更しました。降園時、遊ぶ時はリュックを背負わないようにしました。

このように、どこの園でも似たようなことはやっていると思います。担任が見ていても、目の前で起こる事故もあります。止めたくとも止められない。そんな場合もあります。
 
でも、問題は事故が起きた時の処置。そしてその後の配慮ではないか?と思います。その意味で同じような事故が続発しながら改善をしない、ということにも疑問が残ります。残念ながら、直ぐ病院へ救急車を手配して連れて行かなかったこと(意識がないとしたら、これは生死にかかわる問題です)、保護者への連絡が遅れたこと等々、園の「落ち度」は大きいように感じます。

正式な謝罪は要求してしかるべき、と思います。誰も事故を起こしたくて起こした訳ではない。それはご理解いただけると思いますが、幼稚園内で起こったことは不可抗力であったとしても園長の責任。私はそう思います。その意味で責任を果たしていません。誠意をもって問題解決に努力すればままさんだって、こちらのサイトにご相談されなかったと思います。

では次の方法として、どんな方法があるか。私もままさんの求めているものが、お金ではないことは承知しておりますが、謝罪する意思がないのでしたら、法的措置をとることまでお考えになるのもやむなし、と思います。(テレビの法律相談番組でしたら、確立90%と出るところでしょう)

このことを園につたえ、先ずは正式な謝罪を要求してみましょう。それでご納得いかないようでしたら、弁護士さんをお願いするしか方法がないようにも思います。同じ幼稚園の関係者として、このような回答をすることに「ふがいなさ」を感じてしまいます。

(アドバイザー:井上智賀)


ままさん、はじめまして。
以前アドバイザーに登録しておりましたが、今は、引退(?)している松野敬子と申します。
遊具の事故防止の活動をしていおりますので、アドバイスできればと思います。

まずは、大事故にもかかわらず、息子さんが回復されて、本当に良かったですね。

でも、息子さんやお母さん、お父さんが大きな精神的なダメージを受けただろうということ、そして、それはこれから先、「何かあったら」という大きな不安を抱えることになったこと、よーくわかります。
ままさんの不安な気持ち、不満は当然のことだと思います。

ちょっと、問題を2つに分けて考えていきますね。

まず、「遊具でおきた事故である」という側面です。

遊具に事故に関して、昨年まで、全く「無策」だった、というのが日本の実態です。
死亡事故でさえ、「子どもの不注意」「不幸な出来事」ですまされていました。
玩具にさえある「安全規準」が遊具には全くありませんでした。
つまり、その遊具が安全であるかどうか検証されることなく設置され、メンテナンスしなければならない義務もどこにもなく、事故がおきれば「子どもと親の責任」だったわけです。
一方、欧米では、1980年代には、遊具の安全規準ができ、規準を満たしたものしか設置はできず、メンテナンスも義務ずけられています。

私は、7年前、知人のお子さんの箱ブランコの重傷事故をきっかけに、「おかしいんじゃないか」と様々に調査し、国土交通省(遊具メーカーの指導官庁です)などに働きかけてきました。
3年前に、箱ブランコの死亡事故が頻発したこともあり、ようやく、マスコミが動き、国も動きました。
昨年春、国土交通省が遊具の安全に関するガイドラインを出し、秋には遊具メーカーの団体が『遊具の安全に関する規準(案)JPFAーS:2002』を公表しました。
ようやく、日本に遊具の安全規準ができたわけですが、なんせ、メーカーの自主規準ですので、法的な縛りはありません。
しかし、国土交通省は、『通達』を出し、公園の管理者に注意を促してはいます。
また、幼稚園や学校にも遊具がありますので、文部科学省も同様の通達を出しています。

ですから、遊具の管理者である以上、園長は、遊具の危険性に関して、「注意しなくてはいけない」ぐらいの認識はあるはずです。(本当は…)
『遊具の安全に関する規準(案)JPFAーS:2002 』の中には、『特に、滑降系遊具の滑り出し部分や滑降面には、着衣の一部がに引っ掛かるような突起や隙間があってはならない』と明記されています。(JPFAーS:2002 P18 4―4―5)

あくまでも、メーカーの自主規準ですから、この一文があるから法的な責任を問える、とは簡単にはいかないでしょうが、少なくとも、『JPFAーS:2002』以前よりは、注意義務を怠った責任は問いやすいです。

まあ、責任追求はともかく、少なくとも、重大な事故がおきた滑り台は、即、撤去し、安全性の確保された新しい滑り台に変えるべきです。
これを教訓に、遊具の安全性に関して最善の対策をとる、それが誠意ある対応であるし、責任の一つの取り方だと思います。
そのままにしている、他の園児に注意を促さない、ようじゃあ、ハッキリいって子どもを預かる資格に欠けるのじゃあないかと思います。

大切なことは、今回の事故は、「たまたま」でも「不注意」でもなく、全国的、世界的スケールで見れば、「よくある事故」「起こるべくして起きた事故」です。
事故はゼロにすることはできないですが、事故から学び、予防することはできるのです。
そういう視点にまず、子どもを関わる人が立たないかぎり、事故は減りません。
また、逆にいえば、事故の瞬間、「先生が目を離した」ことを責めるべきではないと私は思います。
事故が起きる時は瞬時のことなので、「その瞬間、助けられなかった」を責めるより、事故が起き得る環境を放置したことに責任を感じて欲しいと思います。

補償の件ですが、幼稚園は「日本体育・学校健康センター」の災害共済給付が受けられるはずです。
入院日数が少なかったのであまり出ないのでしょうか?
精神的なケアに対しての補償って、出ないんですよねー。


次に事故のケアに関してです。

お子さんは、自らの生命力で身体的な危機は脱したわけですが、その恐怖体験は心の奥に深く刻み込まれているわけです。
ケアが必要です。そして、ことが重大であればあるほどケアに要する時間も必要です。
「もう大丈夫」を決めるのは園長先生ではありません。
本当は、お子さん自身ですが、まだ小さいですから、とりあえずは、一番身近に接しているお母さんの判断が正解だと思います。

お子さんの恐怖の言葉を聴くのは、お母さん自身も辛いことだとは思いますが、十分に、十分に、聴いてあげ、そして、「何があってもママとパパがあなたを守るよ!」と言ってあげてくださいね。
それが一番です。
絶対にしてはいけないのが、「いつまでもメソメソしない」的な対応。(つまり園長先生の言葉です)
一見励ましているようにも見えますが、それは、子どもの感じている「不安」を、大人が勝手に「割り引いて」いるだけ。
よくありますよね、暗い部屋を怖がる子に、「怖くないよー、大丈夫、大丈夫」と軽ーく言ってしまうこと。
でも、「怖い」と感じているのは子どもで、「怖くない」のはママ。
「感じる」ことですから、説得されたって怖くなくなるわけじゃなく、「怖い」と口に出せなくさせられただけ。
表現することを禁止された感情は、心の中で押さえ込まれます。それは、蓄積し、いつか爆発するかもしれません。
それよりも、感情は言葉や絵やアクションで、吐き出しさせてあげ、「そうだね、怖いんだね」と受け止めてあげることです。
そういう作業の中で、ケアされていきます。

園長先生に対して、不満が募る気持ちに共感します。はらたつよねー。
転園が容易な環境ならいいですが、そうではない場合もありますものね…。

長くなりましたが、少しでもお役にたてましたら…。

(アドバイザー:松野敬子)




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