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幼稚園でお友達とうまく関われず、自信をなくしている様子 |
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もうすぐ4歳(一人っ子)になる息子のことで相談申し上げます。 この4月に認可私立幼稚園に入園しました。
もともと同じくらいの子供とかかわるのに自信がないようで、また失敗もこわいようで、大人とばかり遊びたがる子でした、情緒面の不安定な様子もありましたので、入園前は特に気を配り、嫌がる公園などにはあえて連れて行かず、祖父母や親と、彼のペース中心であそばせていました。 一人遊びで何かに集中するということはなく、いつも私にひっついて電車ごっこやお絵かき(下手です)貼り絵やめいろ・・おいかけっこなど走ることだけは好きですが、自転車に乗る、など器具を使った運動は苦手のようで手をつけませんがあえてやらせませんでした。
そのかいあってか赤ちゃんのころに比べるとずいぶん落ち着いた性格になり、幼稚園に対しても緊張感をもちつつもお友達や先生に期待している様子を見せていました。 実際、入園当初は、緊張や疲れを見せつつも、楽しそうにお友達の名前が出てきたりしたので安心していました。緊張感が高じて大きい声を出したり、お友達とのかかわりがわからずにちょっかい出して嫌がられたり、ということも先生から指摘されたことがありましたが、むしろ引っ込んでいじけていないことに安心していました。 もともと怖がりやではあるものの、積極的に話しかけるのですが、どうもうまくかみ合わないといった感じでした。
ところが、ここ2週間ばかり、幼稚園の降園時に、ひとり元気がなく、帰ってからもいらいらカリカリと落ち着きがない様子がでてきました。どこかに連れて行っても、大勢いるところなどでは自信を失い、小さくなっています。夜中にも、しくしくと泣いていたり小さくうずくまって指しゃぶりをしています(指しゃぶりは寝入る時や、眠りの浅いときにやっていますが)気になったので、担任の先生に伺うといつからかはわからないようですが、ここのところ自由時間の外遊びでは、誰ともかかわろうとせず、一人で門のあたりをうろついていたり、ぽつんとしているとのことでした、「いっしょに遊ぼう」と声をかけても「いい」との返事だそうです。近所の人に見てもらっても「つまらなそうにしていた」とのことで涙が出ました。一人遊びで満喫しているお子さんなら問題はないと思いますが、息子の場合は、ただ回りと関われずに独り不安な時間の過ぎるのを待っているだけです。
先生は、今後、何かのきっかけを期待しつつ、様子を見ていきます、との対応でしたので特別、目をかけていただくことは不可能だと思います。大人は大好きなのですが、感情をストレートに出せる子ではないので大勢園児を見ていらっしゃる先生との信頼関係は特別なく、気持ちを理解してもらえる時間をとってもらうのはなかなか難しいと思います。 主人は、ひとりでつまらない様子でいても、そこから何かを学んでいるから心配する必要なないと楽観しています、私も、この気持ちを今後生きていく何かしらの糧にしていってくれればいいとも思います、でも、まだ3歳、人一倍、誰かと関わることが好きなのに、誰とも打ち解けられずに不安な気持ちで放っておいてこのまま人とのかかわりがどんどん苦手になるのではないかと心配しています。
幼稚園を忘れ、家族だけで過ごす土曜や日曜は、のびのびと明るく楽しく実にかわいらしい子どもなのですが、前述したように、幼稚園生活におけるストレスの大きさは明らかです。 家庭で言うことを聞いてくれる大人だけの世界に戻しても、成長はしないと思います、でも、人とのかかわりは楽しいものなんだと伝えていくのに、今のように幼稚園を続けることが答えなのかも悩んでいます。もっとしっかりしたいのですが、母親として、どのようなことに気をとめて接していけば良いか悩んでいます。アドバイス、ご意見、何でもけっこうですのでお伺いしたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
(てつお さん)
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てつお さん、ご相談いただき御礼申し上げます。旭幼稚園、副園長の井上です。 ご相談内容、拝見いたしました。ご両親様から見ると、最愛のお子さまが元気に遊べない…。その思いが痛いほど伝わってまいりました。心中お察し申し上げます。
この「何となく」幼稚園が楽しくなさそう、という問題は原因がはっきりせず、対処が難しい場合があります。その反面、何も対処しなくとも、ちょっと時間が経過しただけで嘘のように解決する場合もあります。このあたり幼稚園の現場にいる人間としては、どう対処すべきか。悩むこともしばしばあります。
先ず子どもの発達というものからお話させてください。小学校以上の場合は、発達というものは階段状に進む、ととらえられます。ですから掛け算九九ができるようになる→割り算ができるようになる、といった感じで、「何ができないから、次に進めないのか」ということがはっきり判ります。ですから学習も段階的に、論理だてた筋道(学習方法)で進めることができます。 それに対して幼児期の場合、発達は「らせん状」に、寄り道をしながら、(最終的にはらせんを描きながら上へ進むと判ってはいるが)横に進んだり、斜めに進んだりする。それを繰り返し、上へ上へと進む。このように考えられています。ですから幼児期の教育は「体験による学習」といわれているのです。
このお話をさせていただいたのも、てつおさんのお子さま、今様々な「対人関係」の基礎を体験として学んでいる時期、と感じたからです。大人とでしたら、適当に子どもに合わせてくれることもあります。じゃんけんなどでも、わざと負けてくれることもあります。でも、子ども同士ではそうはいきません。全員勝つつもりでジャンケンをします。そして勝った喜び・負けたくやしさを学習しています。対人関係も同様です。 「相手の気持ちにたったおつきあい」は口で言うのは簡単です。しかし人生経験の少ない幼児には、先ず「相手がどう思っているか」「相手がどんな反応を示すか」ということすら、理解できません。みんな同じように、時には失敗もしながら体験として学習しているのです。
ですから、ここは大きな学習をしている時期ととらえ、長い目で見守ることが一番の得策のように感じました。文面から推測すると、ご両親様の子育てに間違いはありません。この時期は先ず「遊ぶ楽しさ」「遊びの面白さ」を充分に体験することが必要と思います。それを実践されているのですから、先ず大丈夫です。後はお友達との かかわり方。これを体験として学習する場が残されているだけ。そう感じました。 幼稚園でも担任の先生がきめ細かく見ていてくださっているようです。
> 先生は、今後、何かのきっかけを期待しつつ、様子を見ていき > ます、との対応でしたので特別、目をかけていただくことは > 不可能だと思います。 > 大人は大好きなのですが、感情をストレートに出せる子ではな > いので大勢園児を見ていらっしゃる先生との信頼関係は特別 > なく、気持ちを理解してもらえる時間をとってもらうのはなか > なか難しいと思います。
これは子ども同士、何かのきっかけで遊びのグループが解散したり、また新たな遊びのグループができたり、ということを繰返しています。この新たなグループができる時(できつつある時)、入れるような「きっかけ」を作ってみます。子ども達に促してみます、という意味では?と思います。担任は自分のクラスのお友達、全て把握しています。性格も行動パターンも、全て判っています。そのうえで、その子ども子どもに合った「言葉がけ」「援助」をしていきます、という意味ととらえました。幼稚園教育の基礎基本をしっかり理解したうえで、子どもに合った対応をしよう、ということでは?と思いました。この先生にお任せしておけば大丈夫、と思います。
友達関係は時間がかかります。直ぐに結論を出すことは難しいのです。でも、遊ぶ楽しさを知っているだけに、ほんの些細なきっかけで、一気に解決するようにも思います。もう少し長い目で、見守ってください。お願いいたします。
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(アドバイザー:井上智賀) |
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