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ママ・パパの悩み 人間関係
義父の厳しい関わりが、双子の発達に影響を与えないか、心配
はじめまして。3歳4ヶ月になる双子の娘の母です。娘たちと主人の父との関係でご相談します。

義父母と我が家は距離で約300mととても近くに住んでいます。主人は3兄弟の末っ子で、双子は私たち夫婦の初めての子、ということで誕生をとても喜んでくれました。双子ということで、2人いては買い物も、家事もままならないだろうということで、生後6ヶ月ごろから週に3〜4日、二人を交代で昼食後から夕飯、お風呂を済ませて7時ごろまた連れてきてくれると言う状態が2歳半ごろまで続きました。こう書くと、2人とも義父母に相当慣れているだろうと思われるかもしれませんが、実際は全く反対です。
2歳6ヶ月で終わったのも、その1ヶ月前ごろから2人ともが連れて行かれるときにすごく泣くようになり、ひどいときは車が家の前に止まり、ドアがばたんと閉まる音で「いや〜!」と泣き出すのです。とうとう片方が泣きすぎて吐いてしまい、「ちょっと当分やめとこうか。」と終わりになりました。

当初は、私のためだったのですが、途中から「未熟もんのおまえらにまかしとったらろくな人間にならん。まともな人間にしたいんならわしのところへ連れて来い。」ということを言われましたので、こちらから「もう結構です」とはとても言えない状況でした。(ちなみに義父は現役の開業医で普段から「自分は世界で5本の指に入る名医であり、人間としてまともな人間はわしのまわりにはおらん。」とおっしゃってます。)

預かってもらっている間、どんな係わり合いをしてもらっていたのかはよくはわかりません。一度、我が家で義父が双子のAのほうにパズルをさせているのをそばでみる機会がありましたが、(Bは好きで簡単にしてしまいますがAにはまだ難しいようでいつも途中でやめてしまっているものでした。)義父は「そこじゃなかろうが、あんたはだめじゃなあ。」と言いつつ、Aが泣いてもお構いなしでとにかく最後まで仕上げさせました。Aの泣き方も口を押さえて、泣くまいとしているようで、母としてはとてもつらかったです。そんなことが預かってもらっているときたびたびあるのではないだろうかと想像されます。

義父の教育方針は「子供はけなさなければ育たない」です。私は「誉めて育てたい」のですが、一度そういう風に言ったらけちょんけちょんにけなされました。

3歳保育の幼稚園に入ったので、あまり行けなくなったという口実もあるのですが最近また「(双子の)視野が狭くなりょーるからまた預からんといけんのう。」と言われました。
たびたび連れて行って、なれるほうがいいのでしょうか。でも、いまだに我が家に突然義父母が来ると、2人とも泣いて私にしがみつく状態ですし、泣かなくてもAは表情がなくなります。

状況説明が足らないかもしれませんし、文章もまとまっていなくて申し訳ありません。義父との関わりが双子の心の発達にどのように影響をおよぼすのかを心配しています。よろしくお願いいたします。

(ゆうの空 さん)


ゆうの空 さん、ご相談いただき御礼申し上げます。旭幼稚園、副園長の井上です。ご相談内容、拝見いたしました。たしかに「手ごわい」。これが感想です。なぜなら義父さまの教育観は「確信犯」だからです。これを変えることは不可能に近いでしょう。

先ず「子育て」観は時代とともに変化するものです。以前は子どもの内面・気持ちといったものはどうでもよく、ちゃんとした形になっていればいい、という「しつけ」観が中心でした。個性は無視され、「皆と同じ」であることが求められていました。でも、そんな教育が不幸な戦争を引き起こしたこと。これも忘れてはいけない事実です。

現在の子育て、これは私達も考えなければいけない部分、たしかにあります。「自由」と「わがまま」の区別がつかない。マナーが身についていない。「権利」は主張するが「義務」は果たさない…。義父さまから見れば「母親がなっていない」「だから、わがままな子どもばかりになる」と思われているのでしょうね。それは事実ですから、否定できません。

「けなして育てる」方法ですが、私は否定しません。それが効果がある子どもであるなら有効です。下手に誉めて、それでいいと思ってしまい、間違ったことでも本人が気付かない。それよりは「まだまだ」とより高いものを求めていくのも、ひとつの方法と思います。

でも、それは「子どもによって」、という大きな(注)マークがつきます。それに耐えられる精神力を持っている子どもには有効でしょうが、もしその方法、親の真意をくみとってもらえないと「自分は何をやってもダメな人間」と思ってしまいます。
でも、人間、どこかで自分を認めて欲しいのです。自分が活動できる場・自分の行なったことに対して「結果」が出るものを求めているものなのです。
たとえは悪いことを承知で書かせていただくと、不良グループが暴力団の子分になったりするのも、みんな原因はこれです。自分を認め、必要としてくれる人のところに寄り添ってしまうのです。

ちょっと厳しい言い方かも知れません。もし義父さまが「世界で5本の指に入る名医」とおっしゃっているそうですが、それはご自身の評価であって、他人からの評価ではないでしょう。もし、世界で5本の指に入る名医であっても、それは医学界のことで、子育てに関しても「世界で5本の指に入る」とは言い切れないはずです。
ひとつのことで成功した方であっても、それは限られた分野であって、全ての分野で完璧なことができると思い込むこと。それは人間の「思い上がり」です。全知全能は人間の最終的な目標ではありますが、それは「神」にのみ許されるものです。

とは言っても、これを義父さまに言うことは、ゆうの空さんには不可能でしょう。
言ったら最後、もう「縁切り」状態になることは想像できます。ゆうの空さんのご主人様がどう思っていらっしゃるのか。その点、ご相談メールには何もかかれていないので判りませんが、ご主人様とご相談されたことはあるのでしょうか?ご主人様のお考えはどうなのでしょうか?

子どものことは先ずご両親様が相談され、自分達の子どもにとって、最もよい方法を考えることが出発点ではないか、と思います。その結果、義父さまの教育方針が正しい。私たちもその方針でいこう、という結論に達したのであれば、その方法が一番だと思います。
もし、「このままではいけない」という結論に達したのであれば、それを避ける方法をお考えいただくのが最良と思います。

私の幼稚園運営の基本です。哲学と言ってもいいかも知れません。「子どもにとって」ということを最優先します。「子ども」が主語で、「子ども」の目線で考えたい…。

子どもを主語にして考えれば、結論はおのずと導かれるように思います。ご主人様とご相談のうえ、時間をかけて、「子ども」を中心にお考えくだされば幸いです。
私のような「ふつつか者」が義父さまに対して言い過ぎた部分があればご容赦ください。

(アドバイザー:井上智賀)


心中お察し申し上げます。辛川です。

●義父さまはプライドも自信もお持ちの方ですので、過ちを認められないかもしれませんが、現代 子育てに関してわかってきているレベルからいうと、失礼ですが、非常にレベルが低いです。

●児童精神科医の佐々木正美著の「子どもへのまなざし」と「続 子どもへのまなざし」(福音館書店)をお母さん、義父母さまともにお読みになられてはどうでしょうか。

●ご主人にも相談されて、子どもへ、あまりにも厳しくうるさいようであれば、会う回数を減らす方向がよいかも知れません。事実子ども自身が拒絶している模様なので、それは尊重しましょう。

●本をお勧めになられる時は、子育てに関する 最高権威の先生の著書ということでお渡しになればどうでしょうか、本を読まれれば、義父さまと正反対のことがすばらしいことだと書かれてあるので、暗黙のうちに、賛成していないことも伝わるでしょう。しかも義父さまのような方は、権威がないということを聞かれないと思われるので、このような薦め方がいいかも知れません。

詳細はわかりませんが、ご主人、奥様、まわりの理解あるかたとよく話合われて、ご検討ください。

●子どもに大事なことは「そのままでいいよ」というまるごとの承認です。

●また、私も毎週、大切な子どもへの接し方を配信しています。一人の子どもに対し、3者に(親や祖父母さまなどに)メールで送付しています。これはまさしくこのような事例の時のためで、お母さんだけではなく、ご主人、祖父母さま、一緒に共通認識をもっていただきたい、また話合いの材料にしていただきたいと思っているからです。なかなか嫁の立場から義父には意見
はできませんものね。
ただ、子どもを守るのは親です。体を張ってでも守るべきは守らねばなりません。
生命の危険に体を張って守ることもさることながら、幼児の育つ環境を守ることはその子の将来を大きく左右する大きなことです。
決して、安易な態度で流されず、子どもを守ってやりましょう。そのために、ご主人のご理解も非常に大切です。

なにかございましましたら、 oyakoshinri@yahoo.co.jp にご相談ください。
http://www.jin.ne.jp/osc/

(アドバイザー:辛川誠)




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