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新しい先生が来たとたん一斉保育になり、子どもたちから笑顔が消えた |
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はじめまして。5歳の男の子の母です。 子どもが通っている幼稚園の事なんですが、公立で自由保育の園で地域の人からも伸び伸びしていて昔からいいと評判でした。 私も私立の園を何園も見て選んで入りました。
ところが、担任が異動し新しい先生が来たとたん、園の教育方針が変わり、始業式の日からほとんど一斉保育に変わってしまいました。 園長も言いなりらしくOKを出したみたいです。今まで伸び伸びと遊んでいた子供達から笑顔が消え、緊張して過ごしています。 ストレスが溜まり兄弟にあたったり、すぐ泣いたり・・ほとんどの子が信号を出しています。親もどうしていいか分らず元の自由保育に戻してほしいと、訴えようとは考えていますが、一筋縄ではいかないようです。。 新しく入園して来た親はこんなはずじゃなかったのに・・と嘆いています。このままでは子供が可哀相でたまりません。助けて下さい。
(ミン さん)
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ミン さん、ご相談いただき御礼申し上げます。旭幼稚園、副園長の井上です。 先ず最初に、ミンさんのご希望とおりの回答にならないかも知れない、ということをお断りさせていただきます。それはミンさんがご指摘の「自由保育」「一斉保育」というのは、正確に言えば保育形態ではありません。保育理念の名称だからです。
自由保育というのは、明治初頭、日本に初めて幼稚園ができた当時、小学校の物まねをして、何でもかんでも教えることばかりしていた幼稚園、それに対して「もっと子どもの自由な発想を保育の中に展開できないか」という視点から、「自由保育論」という保育理念を提唱された方がいらっしゃいます。その理論が登場してから、今までの保育理念を対概念として「一斉保育」という名称で呼ぶようになりました。ですから「自由保育」「一斉保育」というのは保育形態の名称ではない、ということをお断りさせていただきます。
次にこの理念は、何のためにあるか。幼稚園も保育所も(特に私立であれば)それは「こんな子どもに育って欲しい」「こんな子どもを理想とする」という目標があり、その目標に向かって保育をする訳です。決して「自由保育をする」ことが目標ではないと思います。自由保育をすることによって「こんな体験をして、こんな子どもに育って欲しい」から、そう思います。主役は保育形態ではなく、子どもなのです。 私の持論です「幼稚園にやってはいけない活動はない。やってはいけない方法があるだけ」
よく批判される鼓笛隊などでも、やり方がよければ「規律」とか「協調性」を学ぶ絶好の機会です。「自由な発想の表現」である絵画でも「こんな絵がいいから、ここに○○を描いて、それからバックの色は何色で…」と先生に指示されたら、何の意味もありません。繰り返しになりますが、自由保育をするのが目的ではなく、「こんな子どもに育って欲しい」という理念があり、それを実現する手段として自由保育が最も適している。だから自由保育をする、というのであれば私は大賛成です。その点を先ずお断りさせてください。
こんな長い前置きになってしまいましたが、園の方針が変わった、ということ。これも大問題です。子どもにとってみれば、今までOKだったものがNGになる場合だってあります。それは今までの経験を否定されているに等しいことですから、変えるにしても、基本は変えず、方法を少しづつ変える。「おたより」等を使い、「今までの反省を受けて、今後はこう変えていきたい」等の連絡があれば、保護者の方々も納得されるのでしょうが…。このあたり、少々失敗したと思いました。
ただ、一度方針変更したものを、そう簡単に戻すこともしないと思います。公立のものは、原則として(学校であれ福祉施設であれ)基本的には「役所」の仕事。そう思っていただいて結構です。こう考えると、おのずと解決方法も見えてくるように思います。基本的には先ず園長先生にお話になり、それでもだめなら役所(窓口)に相談する。一人より大勢のほうが効果があるようです。こんなことくらいしか思いつきませんでした。ご了承ください。
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(アドバイザー:井上智賀) |
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はじめまして、ミンさん。吉岡です。
昨年度末や今年度当初になんらかの説明はありましたか? ないとしたら、これはお子さんにとっても保護者の方々にとっても、大きな問題ですね。公立の幼稚園で5歳というと、1年間幼稚園生活を過ごしてきているわけですから、担任の先生が変わったからといって、以前の保育とあまりに違うやり方は 園側のあまりに一方的なやり方だと感じます。
今は小学校と幼稚園の園長先生が兼任なさっている場合もあるそうですが、園長先生は、父母の間では信頼されている方でしょうか?(失礼な言い方でごめんなさい。)もし、園長先生とのパイプがしっかりとあるのであれば、ご相談なさってはいかがでしょうか?もちろん、ミンさんだけではなくて 出来れば同じ思いを抱いていらっしゃる父母の方が数人いると、心強いですね。
もし、一斉保育に変える理由というのが明確にあるのであれば、もっと時間をかけて、一斉保育の時間もあるけど今までのように自由保育の時間も設けてもらうなど、いろいろな対処の方法があるように思います。
自由保育にも一斉保育にも、一長一短があります。ですが、あくまでもそれが、先生の得意・不得意であってはならないと私は思います。 ミンさんが心配されている、子ども達から笑顔が消えたという事実を園側に訴えて、早急に担任の先生と保護者の間で話し合いの場をもたれて、お互いの考えを理解しようと大人側が動かないと、どちらにしても保育方針に不信感が残ってしまい、今後のお子さんの園生活にとってマイナスな気がします。
これは関係のない話かもしれませんが、知人の園長先生が最近の小学校の先生から「落ちつきのない子」が多くて困っているとのお話をきいてきて、園生活の中でも一定の時間「学校の授業」のようにイスに座り、おとなしくなにかの作業をする時間を設けようかと、悩んでらっしゃいました。「学級崩壊」などという言葉を耳にするようになって久しいですが、保育の現場でも子ども(幼児期)時代は のびのびとという教育環境から、やはりある程度(年長児くらいになると)の年齢からは、「就学」を意識した保育の時間を多かれ少なかれ設けていくようです。
4月に進級したばかりで、担任の先生も変わっただけでも、お子さんにとっては大きな変化ですよね。ミンさんも不安な気持かと思いますが、お子さんにとって、今は、ミンさんがよりどころになっていると思いますので、どうかこの問題が解決して、また親子で笑顔で登園できると良いですね。
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(アドバイザー:吉岡博子) |
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ミンさん、はじめまして、漆です。 お話を伺う限りでは大変な問題ですね。4月の年度始めから変わってしまったとか。 一斉保育についてなにか園からの説明はありましたか? 何よりもお子様の笑顔が消えてしまう...とても切ないですね。親御さんとしては、やはり安心して預けることが出来ないのではないでしょうか。急に保育の内容を変えてしまうというのは、どうかと思います。
お子さんは戸惑いの毎日を過ごしてらっしゃることと思います。ミンさんだけでなく他のご家族の方も同じ思いでしたら吉岡さんのお話と同じように、やはり園の方から懇談会なり、説明会なりを開催していただくことが一番良いかと思います。
またその新しい先生のお考えになっていることをお聞きして、今までの保育を急に変えてしまったことの説明や、今まで園に通っていた子どもさんの4月前の状態、現在の状態をお話してよい解決策を話し合うことが一番ではないかと思います。
もし保育内容を変える、ということになってしまってもすぐに変えてしまうのではなく、少しずつ慣らしながら変えていかないといけないと思います。子どもさんの状態をみて、少しずつ進めていかないと戸惑いばかりが大きくなってしまって、登園拒否やどんどん行動にも現れてくるかもしれません。 やはり大事なのはお子さんの笑顔ですよね。安心して預けられないということをお話すべきかと思います。また以前の保育環境を希望している、ということも。園がわと、家庭の希望をお話して上でよい解決策がみつかるといいですね。
同じ思いを抱いているお母様方と一緒に先生に相談してみるのがいいでしょう。そして園から帰ったあとはたくさん甘えさせてあげてください。家庭が唯一のよりどころになっていると思います。はやく園の先生方も子どもさんも楽しく園生活を送れるようになれるとよいですね。
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(アドバイザー:漆亜希子) |
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