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意地悪や暴力で、一緒に遊んでくれるお友達もいなくなった様子 |
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6歳の男の子の事です。 幼稚園で他の子に対して、思いやりが無く、意地悪や暴力、他の子の物を盗る等が絶えません。 その為、最近では一緒に遊んでくれる友達もいなくなった様で、友達が相手をしてくれないから、余計、意地悪に走る悪循環に陥っています。 本人から原因や事情を聞くと、「自分が強いのをみんなに判らせたい」とか「自分が欲しい物を相手が持ってたから」とか「仲間に入れてくれないから、叩くんだ」と言う始末で、呆れてしまう内容です。
何度も長い時間を掛け、相手がどう思うかを諭し、自分がされたら、どう思うのかを聞いたり、そんな事をしたら、両親は悲しいんだよと話したり、相手の気持ちや、なぜ仲間に入れてもらえないかを教えたり、注意を繰り返してきましたが、反省はその場限りで、翌日にはまたやっている様です。
その様に言葉での説教を繰り返していましたが、全く効き目が無い為、最近では体罰も与えていますが、それでも全く効果が現れません。 それどころか、叱るような両親は要らないと言い出す始末です。 もちろん、叱るのは本人の為だと話しながらしています。
また、弱い者をいたわる気持ちを持たせようと、ペットを与えても見ましたが、ほったらかしにする始末です。
家庭環境は両親、三歳の妹という構成で、一緒にお風呂に入って話をしたり、休日は殆ど一緒に過ごしています。 親から見ると不満は考えにくいのですが、家族に対する感情があまり無い様にも感じられます。
どうすれば、彼が人の気持ちを解るようになり、相手が嫌がる事をしない様になってくれるでしょうか?
(匿名パパ さん)
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匿名パパ さん、ご相談いただき御礼申し上げます。旭幼稚園、副園長の井上です。ご相談内容を拝見し、本当にお子さまのことを愛し、少しでも現状が改善されれば…との思いで、様々なことを試されている様子が伺われました。「父親の育児参加がなされていない」などと言われている今日、匿名パパさんが素晴らしい子育てをされていることにエールを贈らせていただきます。
問題は、匿名パパさんが様々なことを試されているのに、その効果が現れないこと。 これに尽きるように思います。でも、人の気持ちが変わるためには長い時間がかかる。これを先ず肝に銘じてください。そのうえで…
お子さまの気持ちを考えると、「自分の強いことをみんなに判らせたい」という、子どもなら誰でも持っている「一番願望」が強いこと。これに注目してみては?と思いました。子どもならずとも、誰でも「他人から認めて欲しい」という願望はあると思います。
例えば仕事のうえで、上手く契約をまとめた同僚がいても、「すごい」とは思うものの「俺だったら、もっと上手く契約をまとめただろう」なんて思いませんか? 誰だって「自分はダメなやつ」なんて思っていません。条件さえ整えば「俺が一番できる」と思っているはずです。(私だってそうです。条件さえ整えば、日本で一番の幼稚園にしてみせる、と信じているから、今まで頑張ってきたのです)
子どもだって同じだと思います。だから先ず「一番」になれそうなもの(かけっことか、鉄棒とか何でもいいんです)を練習してみて、本当の「一番」になれるよう努力してみる。そのうえで「練習したらかできるようになった」「努力したからできるようになった」ということを、言葉でなく体験で獲得できるようにしては?と思います。
次に、「ここまで努力したんだから、本当の強さは力ではなく、心だ」ということを、話して聞かせる。自分に体験があるうえでのお話ですから、今までと違い、理解できるようになると思います。 お話するうえでのポイントは、「真剣に」「今までと違う口調で」「お子さまの目の高さで」「じっと目を見て」「長すぎず・短すぎず」「端的に」伝えることではないか?と思います。
文章の間から、お子さまのことを愛し、様々なことをお考えになっている様子が伺えるだけに、一度匿名パパさんの気持ちが伝われば、後は劇的に解決するようにも思います。要はその「きっかけ」がなかなかつかめないこと。これさえあれば大丈夫と思います。チームプレーのサッカーなどより、個人競技の水泳や空手・柔道みたいなものを習わせるのも一考かと思います。よくお母様や幼稚園の先生などともご相談のうえ、ちょっと時間をかけながら変化を見守ってください。きっと良い方向に改善していくことと思います。
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(アドバイザー:井上智賀) |
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こんばんは。松野と申します。 ご指名ではないのに、でしゃばります。 たぶん、不愉快なお答えと思います。 聞き流してくださってもけっこうですが、一言だけ言わせてください。
問題行動を起こす子どもを、大人は「子ども自身の問題」としがちですが、基本的に、「大人の問題」、「大人社会の問題」と考えた方が、解決の道が見えます。
暴力でしか自己表現できなかったり、親の愛情に応えてくれなかったりすると、当たり前のコミュニケーションもとれない「困った子」と思いがちですが、子どもの表現力やコミュニケーション能力は大人がつけてあげるものですから、大人の責任をまだ果たせていないのではないでしょうか?
もちろん匿名さんは、充分に子どもに関わり、言葉で伝えてきたのだと思います。 でも、お子さんには伝わらない…。 そして、体罰という手段に変えたということですよね。
どうし、体罰なのでしょうか? 体罰以外に方法は本当にないのでしょうか? 「体罰でさえ効果がない」と最終の手段のように言われますが、本当にそうでしょうか?
お友達に暴力的になることで力を感じようとしているお子さんにとって、私には、体罰は、暴力の肯定でしかないと思います。逆効果です。体罰で、けしてお子さんは自分のしていることを間違えだと学べないのでは、と心配します。 私が体罰はいけないと考える理由に、6つのことがあげられます。 1、 しばしばそれをしている大人の感情のはけ口になっている ⇒感情が爆発すれば暴力をふるっていいというメッセージになる 2、 恐怖感を与えることで、子どもをコントロール ⇒恐怖を与えない人には従わない 3、 即効性がある ⇒他のしつけの方法がわからなくなる 4、 周囲の子どもへも影響を与える(おとなへの恐怖心を与えることもある)
5、 エスカレートする
6、 事故を起す可能性がある ⇒虐待で子どもを殺してしまう親も、殺そうと思っていたわけではなく事故の場合も多い
「体罰では効果がない」と悟ってらっしゃるのですから、ともかく他の方法を模索してみてください。
まずは、お子さんの気持ちをいいとか悪いとかジャッジする前に、とりあえず受け止めてあげてください。悔しい、腹が立つ、そんな感情も感情として持つことは全くかまいません。認めてあげてください。 「悔しいねー」「悲しいねー」「イヤだったね」と否定的な感情も受け止めてもらえれば、子どもは安心します。 そして、その時、初めて、冷静に、「悔しいからといって暴力をふるってはいけない。別の方法で伝えるこができる」と心に刻むことができるのだと思います。 まず、暴力をしかられることろからしか大人が反応しなければ、「でも、僕にも殴るだけの理由がある!」と反発してしまうのではないでしょうか?
問題行動をしている子ほど、その子を理解してくれる人が必要です。 是非、子どもを信じて、あきらめないで、気長に、子育てしてみてください。 6歳にして、お父さんにしっかり反抗しているお子さんは、頼もしいですよ!
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(アドバイザー:松野敬子) |
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はじめまして、吉田です。指名は無かったのですが、少しお話をさせて下さいね。
お父さんは、いろいろ実践され、本当にすごいな、と、感心させられました。忙しい日常のなかで、お子さんとじっくり話し合えるのは、すばらしいですよね。 私が少し気になったのは、まず、彼のきもちを、受け入れてあげてはどう でしょうか? きっと、悪い事をしていると、感じているはずです。行動事態を言葉にして、受け止めてから、お話してみてはどうでしょうか? 怒る親などいらない、ショックですよね、でも、きっと、お父さんのきもちが伝わってるはずです。気長に見守ってあげてください。
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(アドバイザー:吉田幸江) |
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