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集団生活が苦手な息子に協調性を持たせるには?
こんにちは。以前「何もせずボーとしている息子」で相談させていただいたちーこです。

あれから、年長になり(現在5歳4ヶ月)園の方針と担任が変わり、集団遊びや、積極的な働きがけで、やっと園生活が楽しくなって来たようでほっとしていましたが、五月になり担任から、息子は集団生活ができないと指摘されました。例えば、「さあお部屋に戻りましょう」と言ったとき、うちの子(を含む数人)だけ別な行動をとってしまうと言うのです。急な方針の変更に息子が戸惑っているのではないかと言ったのですが、逆に、遠まわしに知的障害を指摘されました。そして、しかるべきところに相談するように言われました。

納得はいきませんでしたが、友達づきあいが下手で、これと言って友達もいないことを心配していたこともあって、児童相談所に相談に行きました。知能検査の結果、月齢以上の知能があり、知能的には何も心配がないことがわかりました。また、児童心理の先生のお話では「ただし空想力が強すぎて、ややアンバランスなところがある。そのため一人の世界に入りやすい傾向がある。個性が強いのであって障害や異常ではない。」とのことでした。

このような息子に対して、今後社会性を身につけさせるためどのように対応していったらよいでしょうか。また、園に対してはどのように接していけばよいのでしょうか。園はすでに「障害」と言う色眼鏡で見ているようです。園と相談所は特に連携はもっていません。アドバイスお願いいたします。

(ちーこ さん)


ちーこ さん、ご相談いただきありがとうございます。旭幼稚園、副園長の井上です。

以前のご相談では、自由な活動が主体の幼稚園で、自分のやりたいことが見つけられずに困っている、ということだったと思います。でも、今回幼稚園の方針が変わり、今度は「団体行動がとれない」ということで園から言われた。これでよろしいのでしょうか?

本来なら幼稚園の方針というものはそう簡単に変更するものではない、と思います。前にも意見を述べさせていただきましたが、幼稚園の保育理念・教育方針を具体化するために保育の方法などが工夫されています。自由な活動を主として、子どもの感性を育てていこう、というのも正解でしょうし、たくさんの活動(経験)を体験してもらい、その中から自分の得意なものを育てていこう、というのも正解だと思います。

ただ、そう頻繁に保育方針を変えるというのも、子どもを主として見た場合、「とまどい」が生じる可能性が高いと思います。今回のご相談、まさにそのパターンですね。これは時間をかけ、「今度、幼稚園はこうなった」ということを子ども自身が理解するまで待つしかないと思います。年長さんになって、理解力もついてきましたので、半年もたたないで慣れると思います。(ただ、その頃になると運動会の練習で忙しくなりますので、この点ちょっと心配です)

ついこの間、ある研修会で講師の先生がこんなことを言っていました。「この30年くらいで人間の平均寿命が2割延びた。だから現在では以前の8掛けで見るくらいで丁度いいのでは?例えば20歳の人は16歳。50歳の人は40歳」というものです。ちょっと飛躍した論理ですが、たしかにあたっている部分もあります。私が幼稚園に勤めはじめた頃の3歳児と現在の4歳児が同じくらい。その当時なら「ちょっと集団生活に耐えられるかな?」と思われる子どもが現在は多いようです。

でも、これは子どもの数が少なくなって、同じ年齢の子ども同士で遊ぶという経験が不足したためのこと。子どもの能力が劣っている訳ではありません。社会的な要因です。慣れるのに時間はかかりますが、誰もがちゃんと集団生活のルールがわかるようになります。知能検査をされても、問題がない、というのも当然です。それは基本的な体験が不足しているだけなのです。だから大人の目から見ると「劣っている」ように見えるだけ。そう思います。(でも、保育の専門家であるなら、これくらいわかって欲しいなあ、と思います)

そう考えた場合、あとは社会的な経験を積んでいくこと。これしかないように思います。人間の発達というものは、その速度に差はありますが、必ず同じ順序をたどります。その発達速度も平均して遅くなってきています。そう考えた場合、あまりあせる必要はないと思います。

「人つきあいが下手」「友達が少ない」お子さま、ということですが、そう考えては欠点になります。むしろ「自分自身の世界に入る傾向がある」とのことですが、これを長所に変えることが一番よいように思います。絵本などに興味はありますか?虫や植物などに興味がありますか?その最も興味のある部分を伸ばしてあげること。これが自信につながり、そこから友達関係もできていく。そして社会性が自然に身につくと思います。

あの発明王エジソンも、自分の興味のないいものには見向きもしない、今で言う「学習障害児」のような幼年時代をすごしたそうです。物事はマイナスに考えていてはマイナスにしか見えなくなります。プラスになるように考え、前向きに進んでください。

また何かありましたらご相談ください。

(アドバイザー:井上智賀)




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