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2週間前に映画を観てから毎日泣く |
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4月から幼稚園に通っている4歳の長女についての相談です。
2週間程前に「はだしのゲン」という広島の原爆のアニメのビデオを見ました。原爆が落ちるシーンは、「怖い」と目を覆いながら見ていました。それでも「また見る」といって見ていましたが、2回目は原爆の落ちるシーンがおわったところで自分でビデオをきってしまいました。
「蛍の墓」など、戦争の映画や本をよく好んで見て、興味もあるようだったのですが、「はだしのゲン」は、人の目が取れたり、皮膚が解けたりとなまなましいシーンがあったので、かなり衝撃的だったようです。
その日から、夕方や夜になると「ほんとに爆弾落ちない?」と何回も聞き、号泣するようになりました。「ママ死んだらアカン」「Sちゃん、Aちゃん幼稚園のみんな、先生、みんな死んだらアカン、ずっと一緒におって」といいながら大声で泣きます。幼稚園や、友達といるときは、楽しく遊んでますが、一人になると考えてしまうようです。「爆弾が怖い、死ぬのがいや、みんなと別れるのがいや」といって「もう爆弾絶対おちないよ」と何回いってもだめで、おばちゃんや近所の人もそういってくれますが、やっぱり毎日30分程泣いています。
どう対応すればよいのか、どうすれば不安が取り除けるのかアドバイスをよろしくお願いします。
(さちこ さん)
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さちこさん、えんどうです。
怖いと思いながらまた見ている。他にも戦争について、関心があるようですね。そして自分でビデオを切ることができ、コントロールしているように思えます。それでもかなりのショックだったのでしょう。
文章からの対応をみると、言葉での対応は不安は除けないように思えます。では、身体的な対応をしてみては、いかがでしょう。不安を感じている時は、とにかく抱きしめる。そしてお子さんの言葉を、「そうだね、いやだよね。」と受けとめ「大丈夫なにかあったら、ぱぱとままが守ってあげる」おかあさんのパワーをお子さんに伝えるように、抱きしめてみてはいかがでしょう。
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(アドバイザー:遠藤けいこ) |
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さちこさんはじめまして!
とても気持ちのやさしいお子さんですね。
「はだしのゲン」「蛍の墓」「うしろの正面だあれ」これらの戦争ものは、アクション戦争ものと違って、その目的は戦争の悲惨さを訴え平和を願って作られたものと思います。お母さんもそういう意味でお子さんにみせられた事と思います。そういった意味で考えれば効果は想像以上にあり、逆に戸惑っていることですね。
まず映画自体が直球勝負で、より事実に近づけているので全体像より印象深いワンシーンのほうが残っているようですね。今まで観てきた幼児向けの情報から急に「悲惨な死」に直面してしまいお子さんの衝撃も少し大きいようなので、視点を全体に向けてみてはどうでしょうか?
「かわいそうだったね。」「昔はこういうことがあったけど。いまはみんなで爆弾落とさないように一緒に頑張ってるんだよ。」「○○ちゃんが爆弾嫌いなように、みんなも爆弾嫌いだもんね。」「お母さん死んじゃわないように○○ちゃん守ってね。お母さんも○○ちゃんのこと守るね。」「お巡りさんもいるし、幼稚園には先生がいるし、TVにはアンパンマンがいるから大丈夫だよ。」「けんかしたら、ごめんね言えばいいのにね。」と、十分な受け止めをしつつ、大きな視点や身近な視点に目を向けさせて衝撃や不安を少しづつ和らげていって見てはどうでしょう。
また違うVTRを見せてもいいかもしれません。戦争ものとは少し距離をおいてアニメもいいのですが動物コメディーなどはいわゆる「癒し系」ともいわれてます。アメリカ映画はその人種柄からハッピーエンドを好むといわれます。ですから、悲しいシーンがあっても、その後のケアを忘れずにシーンに取り込んでます。日本の映画はそういった意味では、芸術性を追求しやすいので、リアルな「死」を訴えることが多いようです。
どちらがいいかではなくお母さんの映画の選び方も決して間違ってませんよ。お子さんにはまだ少しだけ早かったのですね。でも戦争を憎む気持ちがしっかり持てた事はとても素敵なことと思います。その気持ちを大事にして、戦争についてゆっくり時間をかけてお話してみてはいかがでしょうか?そしてお母さん一人で抱え込まず。御家族、幼稚園などにも相談してみてお子さんを取り巻く環境全体で取り組んでみてもいいと思います。
参考になれば幸いです。
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(アドバイザー:staff) |
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平田です。 相談内容から、とても感受性の強いお子さんなんだと思いました。
実は、私の娘も5歳過ぎ・・6歳前くらいに同じ映画を見て同じ様に言っていたことを思い出しました。泣き叫ぶまでではなかったですが。そのとき、きちんと話したように記憶しています。
「昔ずっと昔、おばあちゃんたちが子どもの時に、国と国がけんかして爆弾が落とされ、たくさんの人がケガしたり、死んだりしてとっても悲しい思いをしたんだって、だからそれからは、意見が違ってけんかになりそうになっても、会議といって、お話し合いをするようになったらしいよ。だから、お母さんは、今まで怖い思いをしたことはないんだよ。安心してね。」なんて、こんな風にいったような気がします。
4歳だということですが、映画からきちんと意味を理解しているようなのでお母さんの言葉でお話してあげれば、必ず理解してくれると思います。今は大きくなり、あまり言わなくなりましたが、小さい頃はよく、「お父さんやお母さんは自分の命と同じくらいあなたたちが大切だからどんなときでも、守ってあげるから安心して」と、言ってました。(参考になるかな?)これからも、このことだけでなく幼稚園・学校で差別(男女・人種など)の話を聞いては、いろいろ思い考えて育っていくことだと思います。その都度、きちんと話をきいて、きちんとお話してあげれば・・・と、私は思います。父親には悪いけど、幼い子どもにとって母親は、一番だものね。
さちこさん、とても優しくて賢いお子さんなので、その気持ちを大切に育ててあげてくださいね。きっとすてきな女の子になるんでしょうね。 では、がんばってみて下さい。
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(アドバイザー:平田美智枝) |
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