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アドバイザースタッフに聞きたい!

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ママ・パパの悩み 育児のストレス・不安
子どものひとり遊びについて相談です
1才7ヶ月の男の子のことでご相談させていただきます。

保育園で馴らし保育を始めてしばらくしたところで、保育士さんから「お母さんがいなくなった後、泣き止むようにはなったので、少し慣れてきてはいると思います。でも、見たところ、ひとり遊びがうまくできないようですね。お母さんは、お宅で相手にしすぎてませんか?」という指摘を受けました。

私としては、「言われてみればそんな気もするが、相手にしすぎというのがどういうことなのかよくわからない」と答えるしかありませんでしたが、その保育士さんの言葉をきっかけに、今までの子供との過ごし方を振り返って悩んでしまいました。というのも、保育士さんのおっしゃるには、「ひとり遊びも、子供の発達には大切なことで、親が相手をしすぎてそれを妨げると、年齢に合った親からの自立ができなくなってしまう。」ということです。

つまり、ご相談したいのは、「ひとり遊びって、親が意識してさせる必要があるのでしょうか?」そして「ひとり遊びできない子供と、これからどう接していけば良いのでしょうか?」ということです。私自身、今までの子供との過ごし方を振り返ってみると、確かにできるだけ相手をして、話しかけたりしようと心がけてきました。家事で忙しいときなどは、子供が甘えても時々声をかけつつ放っておいたりもしますが、手が空いたときには相手にするようにしていました。「ひとり遊び」ができるようにと、特に意識して過ごしたことはありませんでした。

指摘されてみると、確かに息子はおもちゃに夢中になって遊ぶということが少ない気がします。おもちゃ以外のもの(CDのケースとか、テレビのリモコンとか)に興味を持って遊ぶことは多いのですが、10分も経てば、私に相手をするよう求めて来る事が多いように思います。かと言って、無理やり何かに興味を持たせようとするのも難しく、甘えてくればそれにこたえてしまいます。

ご意見を伺えれば幸いです。

(HI さん)


HI さん、ご相談ありがとうございます。旭幼稚園副園長の井上です。

HIさんがご心配なさるのも、無理ありません。でも、保育士さんはこういう意味でおっしゃった、と推測しました。それは「遊びにもいろいろなパターンがあります。1人で遊びをしたい、という時に手を出しすぎると、本当に遊びたいものに集中できないときがあります。時には、あきるまで自分の思いとおりの活動をさせてあげることも必要なんですよ」ということではないでしょうか。

ピアジェという有名な幼児心理学者が、子どもの遊びについて、詳しい研究を行なっていますので、そのピアジェの説をご紹介させていただきます。

今の幼稚園教育要領には「幼児の自発的な活動をとおしての遊び」を重視しよう、と書かれています。「自発的」って何でしょう?逆に言えば自発的な活動は全て「遊び」ではない、ということです。「お腹がすいたので、食事する」これは自発的活動ですけれど、遊びじゃありませんね。(でも、幼児にとっては「食事」だって「遊び」になる場合もあるんです。麺類をおはしですくい上げ、垂れ下がった下から食べる、なんてのがよい例でしょう。)ピアジェの説によりますと「遊び」とは1、内的動機づけによって起こる活動ごほうびがもらえるから行なう、やらないと罰がくるからやる、というものではない。活動そのものが楽しいから行なうのが「遊び」ということです。

2、目的よりは手段が重視されるすべり台を例にします。はじめは下に降りる、ということで満足していますが、繰り返し行い、それが自由にできるようになると、今度はすべり方に変化をつけるようになります。はらばいになる・頭を下にしてすべる・等々手段に変化をつけ始めます。同じすべり台を使っての活動であっても、子どもが何に興味を持つかによって、活動の重点が変化してきます。「遊びは自発的な活動」と言われるのも、このような点からです。

3、遊びは見慣れたものについて「これを使って何ができるかな?」と考えることから始まります。ピアジェの説によりますと、遊びは子どもが外部にあるものを、自分のものとして取り込む「同化」の活動、と説明しています。周囲のものを自分の精神構造に合わせて変化しながら取り込むことが重要である、というのです。似たものとして「探索活動」があります。これは見慣れないものに出会って、これまで自分の経験したことのないもの・自分の理解の枠を越えた時に、自分の精神構造のほうを組替える、ということです。

4、遊びは外部からの規制に強制されない自由なもの。狭い意味の「遊び」とゲーム遊びのような規則に基づいたものは、別に考える必要があります。そうすると「遊び」は規則に縛られない活動ということになります。積木は「何かの形を作る」ことを目的に積む場合もあれば、単に「積むこと」自体を楽しむこともあります。何でもいいから形を作って、それを壊すことに快感を覚えることもあります。積木は単に自分の「思い」を発散する「手段」であって、「積木」それ自体が目的ではない、ということです。

ピアジェの理論によれば、遊びにも発達があるそうです。「練習遊び」→「象徴遊び」→「規則のあるゲーム」の順に進行するそうです。

「練習遊び」とは「あることをすると、決まった結果が起こる」ということを繰り返し楽しむ活動。「象徴遊び」とは空のコップから水を飲むまねをする遊びのこと。これは「コップで水を飲んだ」という経験がなければできない遊びです。ごっこ遊びやままごともこれにあたるでしょう。そして規則に従った「ゲーム遊び」に進みます。一見無邪気に遊んでいるようでも、このような発達段階をふんでいることがお判りになりましたでしょうか。

ちょっと専門的な用語が入った、難解な文章になってしまいましたが、結論を申し上げますと「一人遊びがしたい時に、したいだけやれせてあげればいい」のです。「今から30分、自由に遊んでいいですよ」というのは本当の意味の「遊び」じゃありません。逆に子どもが「一緒に遊んで欲しい」という時に、「遊びを指導」するのでなく、一緒に子どもになったつもりで遊んであげれば良いのでは?と思います。

別におもちゃで遊ばなくともいいのです。「ぬいぐるみとおもちゃだけで遊ぶ」のではなく、CDケースでも、テレビのリモコンでも、携帯電話でも、自分が興味を持ったもの全てが「おもちゃ」なんです。危険がないものなら、飽きるまで与えてあげてかまわない、と思います。

HIさん、今のままでいいんです。何も悩む必要はありません。多分、保育所にある「おもちゃ」類が、お家にある「おもちゃ」と違うので、「どう遊ぼうか」「どうしたら面白い遊びができるか」と考えている時期、と思います。まだ1歳7ケ月なんですから、そんなにあせる必要もないように思います。別に「おもちゃ」でなくとも、お母様とのスキンシップだって重要な遊びじゃないですか?そのまま続けていただいて結構と思います。自信をもってくださいね。

今回はちょっと難しい用語が多くなってしまいました。でも「何で今のままでいいの?」ということを説明するには、これを言わないと理解してもらえないかな?と思い、書いてしまいました。また何かあったり、変化があったりしたらご相談ください。判る範囲で回答させていただきます。

(アドバイザー:井上智賀)


HIさん、こんにちは。
小泉弘美です。
何かヒントがみつかればあうれしいです。

保育士さんがおっしゃられた事から感じたことも含め私が思ったことをお話ししますね。

子供は吸収していくことがたくさんあります。遊びは勿論のこと、生活に必要なこともです。自分で、自分なりに何かをやろうとしている。そんな時は少し見守ってみてはどうかしら?ということ。子供が甘えてきたときは、出来れば相手をしてあげる。でも、一人で何かをやっているときは、ちょこっと距離をおいて危険がないかだけを見ているだけ。そんな時間があってもいいかもしれませんね。子供の発想って面白いし、すごいですよ。大人が「へぇ〜」って思ってしまうようなことをしたりします。そんな中から、何かを学んでいくんだなぁっていつも思います。

一人遊びって無理にをさせるのではないと思います。子供が興味をもってやっていることを「何やってるのかな?」とみている。これが一人遊びの状態ですよね。子供がこちらをみたら、一声かけて今度は一緒に遊んでみる。これはスキンシップですよね。両方、大事な成長の栄養です。

子供の集中力ってあるようでないですよ。私の子供も今まで車で遊んでいたなぁと思い、自分の用事を始めると甘えてきたり、そんなものです。子供って。

> 保育士さんのおっしゃるには、「ひとり遊びも、子供の発達には大切なこ> とで、親が相手をしすぎてそれを妨げると、年齢に合った親からの自立が> できなくなってしまう。」ということです。

これは、親が先回りしすぎると自分で学ぶ力が育たず、親に頼りっぱなしになり「やろう!やってみよう」という気持ちが育たないということかな?と思いました。例えば、何かを開けようと子供は悪戦苦闘中!子供がやって〜とくればやってあげるでしょう。でも、それを先にどれどれ?とやってしまうとせっかく、どうやれば開くのか学ぼうとしている力が途絶えてしまいます。その結果、いつでも大人に頼ればいいと思ってしまう訳です。

ブロックも子供は様々な形を作り出します。それを、次々に大人が作ってしまっては想像、工夫などの力が減ってしまいますよね。そのあたりのお話しをされたのかな思います。

子供はなんでもおもちゃにしてしまいます。リモコンだって時には電話になったり、計算機みたいにボタンをバンバンおしてみたり、ケースもたたいて音をだしたり、開け閉めしてみたり・・・。おもちゃだって本来の遊びかた以外で使っていたりします。危険がなければなんでもおもちゃにできますね。

甘えてくればこたえるHIさん、このままでいいと思います。子供にとってもとてもよいことだと思います。甘えてきたら今まで通り、相手をしてあげてくださいね。子供は成長してくると、遊び相手が増えてきます。親だけだったのが、公園でお友達ができ、園で更に増えます。今までは殆ど親に頼っていたのが、一人でトコトコ、お友達とテケテケ。たまに甘えたり、そんな日もやってきます。

大人でもなれない環境は緊張しますよね。子供も同じだと思います。園にはお友達がたくさんいて、お母さんはいないし、部屋の様子も何もかもが家とは違います。でもなれてくれば、どんどん一人で遊んだり、お友達とあそんだりという姿が見られるようになると思いますので、様子を見守ってあげてくださいね。

(アドバイザー:小泉弘美)


HIさん、こんにちは。アドバイザースタッフの土居です。
私も子供の1人遊びについて悩んだことがあるので、少しお話させてくださいね。

長女は、はっきりいって1人遊びが下手です。5歳になった最近でこそ、かなり勝手に遊べるようにはなりましたが、おもちゃを出していても相手をしてやらなかったら、遊ばなくてすぐに別のことをしたり、ただ寝転がってTVを見ている・・・という感じでした。適当に相手して、適当にほったらかしていたと思うのですが、性格もあるようです。

一方、2歳になる次女は1人遊びがすごく上手です。ままごとや積み木を渡してやるとずっと集中して遊んでいます。もちろんたまに私に相手に来ますけどね。長女よりかなり集中力はあるようです・・・(1歳半で積み木5段はつんでました)相手してやるのはどちらかというと、次女の方が多かったかも・・・(長女が言葉が遅かったので、次女は早くからたくさん相手してました)同じ親が接していてもこうも違うのですから、やっぱり性格もあるんじゃないかとは思います。

保育士さんに言われるとやっぱり気にしてしまいますよね。保育士さんはお子さんのおうちでの様子を聞きたかったのと「もっと1人で遊ばせても大丈夫ですよ」ということを言いたかったのかも知れませんね・・・幼児はおもちゃでないもので遊ぶことも多いですから、あまり気にしなくてもいいとは思います。初めてのお子さんだということで、おじいちゃまおばあちゃまなどから、おもちゃをたくさん与えられていませんか?(うちの場合私が色々させたくて長女に買ってました。2歳ぐらいまでですけど)あまりおもちゃがたくさんあると、混乱してしまうのかもしれません。

まだ慣らし保育を始められたばかりということで、これから保育園にいくことでどんどん1人で遊ぶことも、お友達や先生と遊ぶことも覚えていくのではないでしょうか?相手して欲しがったら相手してあげるといいと思います。少し集中して遊べる物を与えてやるといいかも・・・積み木とか、男の子ならブロックとかも好きかも知れませんね。あまり意識しすぎず、自然体で接してあげてくださいね。

(アドバイザー:土居聡子)




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