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アドバイザースタッフに聞きたい!

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卵アレルギーで指導を受けているが、「完全に加熱した卵」とは?
初めてご相談させて頂きます。
よろしくお願いいたします。

現在1歳10ヶ月になった女の子ですが、生後7ヶ月の時に血液検査を受けて卵とミルクのアレルギーと診断され、医師の指導の下、除去をおこなってきました。(母である私が昔アトピーで、アレルギー体質だったので早い時期に検査を受けました。娘は完全母乳で、1歳2ヶ月までおっぱいをのんでいました。)

生後10ヶ月から保育園へ通っているため、園からの要望で半年に1回の血液検査を受け、2回目の検査後にミルクはOK、つい先日の3回目の結果、卵についてもオボムコイドの値は低いので完全に火の通った状態なら食べてもよいという許可が出ました。
但し、半熟状態やマヨネーズのような非加熱加工品は引続き除去ということだったのですが、園の保健師さんからは「市販品であれば、マヨネーズも加工途中で過熱をしているのではないか?」と言われ、あるメーカーのお客様相談室で確認したところ、「殺菌のための低温加熱は行っておりますが、高温加熱で調理したのとは違いますので生か加熱品かということであれば、生の部類ではないかと思います。」という回答をもらいました。

園にはその旨を伝え、今後もマヨネーズは除去をお願いしたのですが、個人的には何度以上の加熱であればOKになるのかという疑問が残りました。
卵を直接加工するような料理であれば見た目にも明らかなので迷いませんが、加工品の場合、マヨネーズのほかにもゲルで固めたようなプリンや、アイスクリーム、カスタードクリームなどはどうなるのかな、と疑問は募るばかりです。
以前、「粉末卵を原料としていますので、生とは違うと思うのですが。」という回答をもらったお菓子メーカーもありますが、この場合はどうなるのでしょうか。
卵の蛋白質の変化という意味では、「完全に加熱した卵」に該当するのはどのような場合だと考えればよいのでしょうか。
ご指導をお願いします。

(サツキ さん)


さつきさん、こんにちは。管理栄養士の秋山と申します。
ご相談下さり、ありがとうございます。

近年では、今までには想像できなかったアレルギーが様々出てきていますね!
もともとは異物が体内に多量に入ったとき攻撃して追い出す免疫反応が過剰になって、くしゃみや湿疹などの症状として表れた状態をアレルギーと言います。
特に、子供は消化能力が発達途中ということもあり、消化能力がやや不足しているため、アレルゲン(アレルギーのもととなる物質)を摂取した場合、大人以上に敏感に反応してしまいます。

アレルギー除去食で大事なのは、お子さんの成長に合わせて、焦らず「加熱したものから」徐々に始めていくことですよね。その加熱で大事なのは、たんぱく質が変性することと言われています。例えば、牛乳にアレルギーがある場合、ヨーグルトやチーズなどから試してみる、という方法が一般的に取られています。これは、加熱や発酵によってたんぱく質が変性(加工して変わった)しているため、と言われています。
卵アレルギーの場合、卵白にアレルゲンが含まれるため、始める場合は加熱した卵黄を耳かき1杯程度与え、4日〜1週間程度置いて様子を見ながら量を徐々に増やし、卵黄が問題なく食べられると判断した時点で卵白に進めていきます。

さつきさんの場合、主治医の判断で「加熱したものなら食べてもよい」とのことなので、この場合は全卵、と考えて良いと思います。
加熱の程度、ということですが、加熱は『完全に火を通す』と思っていただくとよいでしょう。少なくとも食べる部分が75度で1分以上加熱することが必要です。
例えば、固茹で卵なら黄身の中央部にしっかり火が通ったもの(沸騰して13分以上加熱)、卵焼きならばややぱさつくが卵液が漏れないかたさ、ということです。
プリン、市販のカスタードクリーム、市販のアイスクリームは、牛乳アレルギーの度合いにもよりますが、加熱している範囲に入るでしょう。ただ、ババロアなどのムース類、マシュマロは卵白を加熱していないことがあります。また、ケーキ屋さんのカスタードクリームやプリンについては、とろっとした食感の商品には加熱が緩やかな場合がありますので、これらは加熱商品がほぼ大丈夫になってから試してみて下さい。

さつきさんが気になさっている加工品のことですが、お調べ頂いた通り、マヨネーズは加工工程から考えると生の部類に入りますから、サラダのようにそのままで使用するのは当分避けておいた方が賢明かと思います。グラタンや調理パンのように、ある程度加熱したものから始めてみると良いかもしれません。その場合は、他に卵製品を与えていない時に行なって下さいね。

また、「乾燥卵(粉末卵)」ですが、加工方法を調べてみたところ、140〜180度くらいの温風の中に、霧状に卵液(卵を溶いた液)をまいて、すぐに乾燥させるのだそうです。となると、加熱はある程度されている、と考えてよいと思います。
ちなみに「液卵」と言われているものは、サルモネラ菌という食中毒菌のひとつを殺菌するために、60〜63度、3分くらいで低温殺菌するのが一般的なようです。この場合は卵の加熱、という点ではやや足りないかもしれませんね。

様々な加工食品の場合、長期保存、防腐、食中毒予防のために加熱処理されています。
市販のお菓子類の卵のほとんどは、卵の加工と調理工程で加熱されるので、基本的には問題ないと思います。しかし“疑うものは避ける”気持ちを忘れずに、怪しいと思ったら、まずはメーカーに問い合わせてみて下さい。
余談ですが、砂糖類が多くなると免疫が落ちやすくなり、症状が悪化する場合があると言われていますから、その点でも自然の甘味を上手に利用しながら、まずはお友達の1/4量から始めて、徐々に量と回数を増やしていきましょう。

さつきさんの娘さんに、食べられるものが増えて、ますます元気に成長できるよう、お祈りしています。そしてご家族共に笑顔の絶えない毎日でありますように。
ご参考になれば幸いです。

(アドバイザー:秋山ゆか)




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