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アドバイザースタッフに聞きたい!

これまでのQandA
性格・生活習慣・行動など いじわるする・噛み付く・乱暴する
娘が友達の髪を引っ張り、注意しても繰り返す
はじめまして。ただいまドイツに住んでいて、もうすぐ13ヶ月になる娘がいます。

今日はじめて、同じような年齢の子供たちと母親が集まるサークルに参加しました(児童館のようなものらしいと東京に住む姉はいいます)。参加した子供は6人。娘より大きい子は1歳半で、あとは1歳未満でした。私が気をつけていなかったときに、3人の子供を髪を引っ張って泣かせてしまいました。引っ張った後に、「だめ」といって、相手の子供にあやまり、頭をなでていましたが、それが3回。私の態度を観察しているようなのですが、ほかの子のおもちゃを奪い取ろうとしたり、とにかく目を離すことができません。
ほかの子と一緒に遊ぶことを知らないだけなのかもしれませんが、もう参加したくありません。まだ早すぎるのでしょうか?それとも、1歳以上のグループに参加したほうがいいのでしょうか?髪をひっぱったら、どうしたらいいでしょう?周囲のお母さんたちもいい顔しません。

(たらら さん)


たららさん、こんにちは!(^^)保育士の遠藤です。

このメールだけでは分かりませんが、たららさんと同じような環境で生活なされている日本人同士のグループに参加されたのでしょうか。それとも、お母さん自身の交流も含めて現地の親子のサークルに参加なされたのでしょうか?他の親子がドイツ人ばかりだとしたら、文化的に言って、教育への考え方や躾の仕方が日本人と大きく違うため、そういった面で他のお母さん方はいい顔をしないのかもしれませんね。
お子さんが小さいうちに外国で暮らすというのも、難しく大変なことが多いのだろうと推察いたします。

さて、お子さんが13ヶ月であるとのこと。1歳前後の子どもの場合、自分の意思を伝え合って遊ぶということはまだまだ言葉の発達上からも人種を問わず難しい年齢です。
また、物を所有する感覚もそなわっておりませんから、玩具に関しても「自分以外の人間が先に遊んでいる物」であるということを理解する前に、自分の目の前にある玩具で遊びたい欲求のほうが先に立って、結果として「奪う」行為にいたってしまいます。
そのため、同年齢ぐらいの子どもが近くに集まると、玩具の取り合いや、髪のひっぱりあいなどは、どこでも起き得る問題なのです。髪を引っ張るということも、友達をいじめるという意味よりも、玩具に対するのと同じような感覚で、他人の髪の毛への興味が強い場合に起きますので、子どもが悪いとか、躾が間違っているのかと疑心暗鬼に陥る必要はありませんので、まずは安心してください。

「私の態度を観察しているよう」だというのも、大好きなお母さんが「ダメ」と怒るのは解かるけれども、何がどうなってダメなのかが解からないから、しかたなくタイミングをはかるようにして行動してしまっているためと思われます。

子ども同士の交流は、慣れしかありません。また、それまで周りの大人は気長に根気強く、必要な事は少しずつ何度も繰り返し教え、子どもを見守り続けるしか方法はありません。それには一緒にいる親同士が理解しあって助け合うことが必要になってくることでしょう。

ドイツにお住まいになられて、どれぐらいたつのでしょうか。もしかしたら、たららさんご自身慣れない環境を払拭する一環として、お子さんの友達づくりも兼ねてサークルに向かわれたのかもしれないことを文面から感じます。
お母さん同士が初対面の場合、お互いに理解がいたらず、また他の親子に対して恥ずかしさが先に出てしまうものでしょう。ですから、他のグループに参加したからといって、すぐに解消されるものではないかもしれません。逆に親同士、子ども同士の出会いが解決してくれるかもしれませんし、時間はかかるかもしれません。でも、ぜひ諦めることなく、再びそのサークルには参加しないまでも、ゆっくりと自分も楽しめるような方法を探しながら、根気強くいろいろなことを試していってほしいと思います。

いたらない回答で申し訳ありませんが、たららさんがドイツで楽しい子育てができることを祈っております。
ご相談ありがとうございました。

(アドバイザー:遠藤登)


旭幼稚園副園長の井上です。

まずご相談内容を拝見いたしましたが、やはり髪を引っ張ったりする行為に関しては止められるのであればその方がいいと思います。その対処法については、他のアドバイザースタッフの方が詳しく述べておられますので、そちらを参考になさってください。おそらく年齢があがって、理解力がつき、他のお友達と遊ぶ経験が多くなれば自然に解決することと思います。

次に(ここからが問題なのですが)日本人としての子育て観とドイツ人の子育て観。これが判らないと的外れな回答になりそうで、どう答えてよいか迷っていました。
そこでドイツに在住されている佐々木様にアドヴァイスをいただきました。佐々木様は妹さんが経営されているおもちゃのネットショップ、プッペンハウスのお仕事を手伝っておられる方で、ドイツの子育て事情についてもメールマガジンでレポートされています。佐々木様のお返事を回送という形でご紹介させていただきますので、参考になさってください。
ではドイツ在住の佐々木様からいただいたアドヴァイスをご紹介させていただきます。

ドイツの子育て事情ですが、10年くらい前から片親だけの子供の数が驚異的に増えています。生後、一度も父親と一緒に生活をしたことのない子供多く、またシングルマザーで彼らの母親も仕事と、家事と、子育てを一人でこなさなくてはならないため、そのような子供たちは愛情に飢えているように感じられます。これは娘の幼稚園に通ってきている子供たちを見ただけで、両親そろっている子供か、片親の子供かがすぐにわかってしまうほど子供たちに顕著に表れています。

ただドイツ人はあまり子供のやったいたずら等に対して気にしない方だと思います。
丁度先月、娘の幼稚園の父母会があったのですが、ドイツでは一つのクラスに3歳から6歳までの子供たちがいます。(つまり、小さい子供は大きな子供から色々なことを教えてもらい、大きな子供は小さな子供を助けてあげることで、お互いに色々なことを学んでいくわけです。)そのクラスに一人問題児の男の子がいまして、つい先日もクラスの男の子がブランコで遊んでいるときに、ブランコから突き落とし、突き落とされた男の子は頭を縫うほどの怪我を負ってしまいました。
そのことについて、その怪我をさせた母親から発言があったので、下記に簡単に記します。

母親A:怪我をさせた子の母親
母親B:怪我をさせられた子の母親

母親A
「うちの子は最近、どうですか」先生「彼は随分よくなりました。もう少し暖かく見守ってあげましょ。あと、この前の事故では出血が多かったため、皆ショックを受けましたが、あのような事故はどうしても防ぎようがありません。私たちも注意して、そのような事故がおこらないよう気をつけますが、完璧に防ぐことができないわけです。」

他の親
「そりゃ、道路を歩いていたって、家の中でも子供は怪我をするときにはするのだから、仕方ないでしょう。」

母親B
「でも、私は自分の息子が血だらけなのをみて、とてもいたたまれませんでした。(泣く)」

他の親
「そんなことを言うけど、子供は色々な経験を通じて勉強していくのだから、今回のことはしかたない。」

以上、怪我をさせた子供の母親Aから母親Bへは当然ながら謝罪の言葉はありませんでした。幼稚園の先生も謝りません。謝ると自分の職務怠慢ですと認めることになります。日本語の「ごめんなさい」とドイツ語の「Entschuldigen」も持つ意味は違います。
また母親が子供を怪我させたわけではないので、反対に母親が謝ること自体ドイツでは変なのです。

このような育児環境なので、ドイツ語がわからないことになると日本のしつけしか頭にないお母さんはパニックになると思いますし、何もかもが嫌になるのではないかと思います。私は娘がよその子にいたずらをしたりすると、娘をしかり、相手の子供に対して謝るように言います。相手の子供にも「ごめんね」と言いますが、相手の母親には謝りません。また、母親もそれほど気にしていないと思います。

ドイツの幼稚園の先生にも聞いてみました。
1歳の子供のやることなので、それほど心配する 必要はない。ただ、他の子供たちと一緒に遊ぶ回数が増えればだんだんと子供もわかるようになる。というのがドイツでも一般的な意見のようです。

ドイツの親の子育て観について:ドイツの親は子供と自分は別の人間であるという 前提のもとに子育てをしているので、子供のことをかわいがりますが、一般的に夫婦の関係の方を 大切にしますし、自分たちの生活を全て子供に合わせるということをあまりしません。

日本では子供を真中に挟んで両親が子供の左右の手を握って歩く光景がよくみられます。ドイツでももちろんそのような光景はみられますが、 一般的には両親が手をつないで、子供は両親のどちら かとだけ手をつなぐか、または一人で親の前を歩くかのパターンが多いようです。
このような行動パターンは彼らが子供のときに、彼らの親もそのようにしてきたからなので、やはり日本人の親が一朝一夕で真似できるものではないと思います。

今回のドイツ在住の方はおそらく駐在員の奥様だと思うのですが、ドイツにいるからドイツ人と付き合わなくてはならないと無理に考えず、近くに生活している日本人を探し出して、コンタクトをとるようにすることをお奨めします。
海外で生活しているのだから、現地の人たちと密接にコンタクトをとるのが正しいといった考えが、在外邦人の間では強くあります。ただ、言葉のハンディや子供が小さいためにお母さんが言葉の勉強をできないといった方たちは、無理して現地の人たちと付き合うこともないと思います。

私は結婚する前からドイツで生活しているので、ドイツ人の方たちとも多く付き合っていますが、それでも本当に気軽に話し合えるのは日本人の友人です。
この方にも母国語で愚痴や相談ができるお友達が必要なのだと思います。もし、私で相談に乗れるようであれば、どうぞ私のメールアドレスを連絡してあげてください。

佐々木由樹子 Germany


以上のようなものです。ちょっと長くなりましたが、ドイツ人の子育て観、そしてドイツの最新子育て事情がおわかりになったかと思います。佐々木様もたらら様のご相談相手になってくださるそうですので、(メールアドレスは別便にて保育ing事務局よりお知らせいただけることになっています)何かありましたらご相談なさってください。

(アドバイザー:井上智賀)




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