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関わり方に問題があって、自閉症のような症状が出てしまったのかと不安 |
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2歳2ヶ月の男の子のことで相談させてください。
息子はとても成長がゆっくりな子です。首すわり、寝返り、お座りなど、すべて標準の目安より数ヶ月遅れてきました。
言葉がでるのも遅く1歳代では単語が3個程度しかいえませんでした。
2歳になってやっと単語が増え、今では60個程度はでるようになりましたが、まだ2語文はでていません。
指差しもなかなかできなくて1歳11ヶ月頃からよくやるようになりました。
1歳6ヶ月検診では「発語が少なめだけど、まあいいでしょう」ですまされ、私も特に気にしていませんでしたが、なにげなく自閉症のサイトをみてから「もしかして自閉症?」と思い当たるところがあるのです。
気になる点は
1、言葉の遅れ
2、指差しの遅れ
3、同年代の子に興味がない
・友達がくると泣き出して「バイバイ」といってしまう。
・スーパーのキッズスペースで遊んでいても他の子がいても知らん振り
4、話かけても知らん振り
・ごはんやおやつを食べているときに「おいしい?」ときいても知らん振り
・絵本見ているときに「○○はどれ?」ときいても知らん振り
5、1人遊びが好き
6、興奮したり、好きな音楽がかかるとくるくる回ったり、ジャンプする
7、部屋が暗くても平気
8、人見知り
9、家族のことを呼ばない
・仕事から帰って来たときとかは「ママ」という。ただし全員「ママ」
10、クレーン現象がある
・テレビをみたいとき「おして」といいながら手をひっぱる。クレーン現象をしていても、何を要求しているのか表情や視線からわかれば心配ないということをきいたことはあるのですが気になる。
11、電気のスイッチや電話、テレビなどボタンが好き
12、多動と感じたことはないが運動神経がいい。
13、病院に行くと大泣きしてしまう(パニック?)
・診察が終わるまではずっと泣きっぱなしで終わるとケロッとしてドクターに「バイバイ」という
心配しだすときりがありません。
心配するあまり自分から自閉症の特徴にあてはめているような気もします。
私はシングルマザーなのですが、私の両親は特に気にならないといいます。
マイペースな子だからゆっくりなだけだというのです。
診察も受ける必要がないというのです。
反面「だいじようぶかな」と思う点としては
1、呼びかけにきちんと振り向く(遊びやテレビに夢中な時はダメです)
2、表情がとても豊か
3、私と同年代の人がたくさんいる場所(スーパーのキッズスペース等)ではみんなの顔をみて私を見つけると笑いながら走ってくる
4、テレビや絵本で食べ物があると「おいしそう」「ごちそうさま」など言うことができる
5、かくれんぼやいないいないばぁなどやってあげるととても喜ぶ。
6、叱られると泣きながら「ここ痛い」とぶつけてもいない頭をさすってこちらの気をひこうとしたり、機嫌をとってくる。
7、こちらの言っている簡単なこと(ゴミをポイして)などは理解できる
私の反省点として、8ヶ月くらいからテレビやビデオを見せっぱなし、またてれびを見ていないときは音楽をかけていてあまりかまってあげなかったことです。それ以外は外遊びで一緒に遊んであげるということをあまりしませんでした。
言葉の遅れを気にするようになってからは、一緒に遊ぶようにしたりテレビを減らす、またテレビを見るときも一緒に見て一緒に踊ったり、唄ったりするようにしています。
そうしてから、劇的に指差し、言葉が増えてきたのも事実です。
以前の関わりかたに問題があって、息子に自閉症のような症状(自閉症は先天性のものだということは理解しています。)がでてしまったのか、また今さら関わり方をかえて、果たして取り戻せるものなのでしようか?
(はなもも さん)
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はなもも さん、ご相談いただき御礼申し上げます。旭幼稚園、副園長の井上です。ご相談内容、拝見いたしました。先ず最初にお断りさせていただきますが、私は医者でもなく、ましてやはなももさんのお子さまと一緒に遊んだこともありません。
あくまで「ご相談文」から推測してお答えすることになります。その点、ご了承ください。
自閉症にかかわるご相談、非常に多いのですが、この自閉症というもの、非常に判定が難しいようです。私どもの経験でも、そのような判定を受けるとき、1人のお医者様は「自閉症」と判断し、別のお医者様は「問題なし」と言われることもあります。専門家でも判定が違うのですから、私ども素人では判断がつきにくい。これが本当のところです。
また自閉症は「個性が強く出たもの」と言われるように、その症状例を見ていくと、子どもなら誰でも持っているものが例記されていますから、ご心配になるのも判ります。
大人でも精神病の人が起こす事例が例記されているのを見ると、誰でもひとつやふたつ「○印」がつきます。だからと言って、世の中の人全てが精神病をわずらっているという訳ではないと思います。自閉症も同じと考えることはできないでしょうか?
特に幼児の場合、発達の個人差も大きい年代です。家庭環境のおよぼす影響も大人に比べると大きいようです。ですからあまりご心配なさらず、おおからな気持ちで接してあげること。これが一番大切なように思います。
私が少し気になったのは、テレビやビデオを見せっぱなし、という所です。テレビやビデオは一方通行です。相互の交流がありません。ただ、プロの方が作ったものだけに、子どもの興味を引き付けるだけのものは持っています。ずーっと画面を見るだけ、という所に「人とのかかわり」という大切な体験ができなくなる、ある種の危惧(危機感)を持っています。
ですからお母さまが一緒の時は、一緒に見て、感想を言ったり、「頑張れー」でも「すごい」でも「きれいね」でも何でもいいですから、共に共感し、テレビやビデオを間にはさんだ人間同士のコミュニケーションをとっていただきたいのです。実際、そうされることによって、言葉の数などに変化が見られるようになったということ。
これはやはり人とのコミュニケーションがいかに大切かということが証明されたと思います。
今後もテレビなどはできるだけ一緒に見るようにすれば、この欠点は解消されますので、どうかお時間の許す場合、一緒に見てあげるようにしてください。
自閉症に関しては、どうしてもご心配なら、専門機関でご相談されることをお勧めいたしますが、ご相談文から推測する限り、その心配はないようにも思います。気になる点としてあげられた事例も、興味のあるものには集中するが、興味がなければ見向きもしない。子ども独特の行動様式が多いように見受けられます。
子育てに正解はありません。だって環境も子どもの性格も全部違い、あの子どもには合っている子育て方法も、別の子どもには全く通用しないこともあるのです。だから難しくやりがいがあるのだと思います。
子どもに学ぶことも多いですし、それによって自分自身が成長することもあります。どうぞ自信をもって子育てに取り組んでくださいね。
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(アドバイザー:井上智賀) |
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