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けっちゃん さん、ご相談いただき御礼申し上げます。旭幼稚園、副園長の井上です。ご相談、拝見いたしました。先進的な課題に挑戦されていますね！このような課題を選ばれると、その研究においては第一人者になれるのですが、なにぶん先人が研究していない。論文もない。手本にすべきものがない、ということになります。
レポート程度ならまだしも、卒業研究となると枚数も必要でしょうし、そのご苦労よくわかります。私も国会図書館をはじめ、あちこちの図書館に資料を集めに歩いた学生時代を思い出しました。
私は幼稚園の人間ですので、保育所行政やこのような問題に関してはうとい部分があります。私も勉強するつもりでインターネット検索でいくつか調べてみましたが、「これだ！」と思うもの、発見できませんでした。可能性があるとすると、関連する学会の事務局に問い合わせ、そこで発行している研究年報や論文集などから関連する論文を探すこと、です。
研究の題材は「保育園看護の現状と展望」ですよね？その場合、私が書くという前提でざっと思いつくまま項目をあげてみると、次のようになりました。
�，海梁蟶爐鮓Φ罐董璽泙冒�んだ理由…約１５枚
�∧欅蕷犂埜遒呂覆蕊�要とされたか（歴史的意義）…約２０枚から３０枚
ａ 社会的背景を考える
ｂ 法整備から見た保育所看護
ｃ 保育所看護を行うにあたっての問題点（人的問題点、施設面、財政面）これをどのように解決してきたか
�８什澆�こなわれている保育園看護の現状…約３０枚
できればいくつか行っている所を取材して、問題点を探ってください。
�ず８紂∧欅蕷犂埜遒呂匹里茲Δ癖�向に進むか（歴史をふまえての予測）…約３０枚
個人的観測ではなく、社会状況がどう変化するか。それを見据えたうえで、幼児を主語にするのか、働く保護者の便宜性まで考えたうえでのものにするか、等々広い範囲で展開してください。
「病児保育」を例にすると、「病気でも預かってくれる保育園があるといい」のか。それとも「子どもが病気の場合は、会社を休めるような法制度の充実」がいいのか。このような面まで踏み込めるといいですね。
�イ修里燭瓩棒鞍�しなければならない課題…約２０枚
法律・会社の理解・ひいては日本の子育て環境まで含めたものになるでしょう。思いつきではなく、歴史と現状をふまえたうえで「今後の日本の子育てのあるべき姿」を論じてください。
�Δ泙箸瓠通鵤桔腓�ら１０枚。
合計１３０枚から１５０枚程度。こんな感じでしょうか？
そこで、ひとつヒントになるかどうかわかりませんが、思うところを述べさせていただきます。
保育所というものは戦後、戦災孤児の救済を主たる目的に設立された福祉施設です。労働厚生省というところは、実行官庁なので、何かひとつ政策を決めると、各市町村あてに通達を出します。例えば「来年度から○○をすることになったので、その予算も一緒に確保した。だから市町村においても、この推進について努力して欲しい」といった感じです。また数値目標も一緒に提示します。「全国１００の保育園で行えるよう、予算○億円を確保」といったところです。これが口は出すけどお金はない指導官庁の文部科学省と実行官庁の労働厚生省の差です。
そして、その政策を実行するにあたっては、法律を作ります。（法律でなくとも、閣議決定とか、大臣通達のようなもの、つまり「これに基づいてこの政策をやりますよ」という「後ろ盾」があります）
法律を作るということは、実社会がそれを要望している、ということです。法律はそれができた時点での社会を反映しています。でも、社会の進化はすさまじいものがあります。すると、その時は現状に合っていたとしても、社会の進化に追いつけなくなります。するとどうするか…。「読み替え」という手段を使います。つまり「これはこう言う意味に解釈していい」という法律の拡大解釈です。それでも社会が進む。どうしてもその法律で対応ができなくなる。その時点で新たな法律を作る。この繰り返しです。
ですから保育園看護が法律で定められた時。これを調べてください。きっと「法律第○号。昭和○○年○月○日」という形で出ているはずです。その次はその１〜２年前に、どんな社会的事件が起こったか。幼児虐待とか、経済状況が発展し、保育所入所希望者が爆発的に増えたとか、保育園看護を社会が必要とした「原因」のようなもの。これを探ってください。できればその法律を作るとき、必ず政府は諮問機関に有識者を集め、意見を聴取しますので、その記録が手に入れば、論文の半分はできたようなものです。
頑張ってよい論文ができますことをお祈り申し上げます。
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