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アドバイザースタッフに聞きたい!

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将来、幼稚園をつくりたい
変な質問ですみません。自分は高校生なんですが、将来幼稚園を作りたいと思っています。どのような進路にすすめばこの夢が実現するのでしょうか?教えていただけたらとてもうれしいです。

(キャプテン翼 さん)


キャプテン翼 さん、ご相談いただき御礼申し上げます。旭幼稚園、副園長の井上です。ご相談内容、拝見いたしました。「幼稚園の先生になりたい」というご相談は受けたことはありますが、「幼稚園を作りたい」は初めてです。
実は私の父が創立した幼稚園なので、詳しい点はわかりません。ですから、現行の法律上ということで、お話させていただきます。

園長資格についてお話させていただきます。幼稚園の園長になるには、幼稚園1種免許が必要です。これは4年生大学で、幼稚園教員免許が取得できる学部学科に進学されることが近道でしょう。幼児教育学科・保育学科など、大学によって名称は違いますが「幼稚園1種教員免許取得可能」なカリキュラムのある大学に進学されることです。
短期大学でも教員免許はとれますが、これは2種免許で、園長資格である1種免許はとれません。

今幼児教育の世界は激動の時代です。いつ幼稚園と保育所が一体化するか予測もできません。そんな意味から、できれば保育士免許も取得しておかれたほうが後々便利かと思います。学校によっては、保育士免許も同時に取得できるので、そのような大学を探してください。

幼稚園の先生という仕事、それこそ「何から何まで」できないといけません。ある意味「スーパーマン」でないと勤まりません。その「スーパーマン」を指導するのですから、それ以上のものが園長には求められます。

幼児教育に関する高い見識はもちろんのこと(必須条件と思ってください)バスの運転も、と考えたら大型免許も持っていると便利です。最低、楽譜が読めないと子どもの合奏指導もできませんよ。
発表会の劇やリズム遊戯のため、舞台の知識も大切です。細かなことではトイレ修理の方法、水道修理の方法、ペンキ塗りの技術なども知っていると便利です。
話術も重要です。自分の理想とする保育を行なってもらうため、教職員にわかる表現で、いかに理解してもらえるか。それから「この園長先生の言う事を聞いていれば大丈夫」と思ってもらえるカリスマ性。これも大切です。園長となると本当に毎日勉強です。(そうでないと教員に負けちゃいます)

それから、幼稚園に勤めるのではなく、設立したいということなので、この点についてお話させていただきます。
幼稚園というところ、教育機関(学校)なので、学校教育法に定められた基準をクリアすることが必要です。定員に対して必要な園地・園舎(保育室数)トイレの数(便器の数)まで規定されています。

次に設置主体ですが、私立学校の場合、「学校法人」という公益法人であることが求められています。これはこの園地・建物を法人に寄付し、公益的な活動を永遠に続けられるように、ということです。ただ、学校教育法102条によって「幼稚園・盲学校・聾学校」は「当分の間」学校法人でなくとも設置・運営できることになっています。ですから、この法律によって園地・園舎を寄付しなくとも法律上は設置が可能です。
お寺の附属幼稚園(宗教法人立幼稚園)、全く個人の人が運営している幼稚園(個人立幼稚園)などがそれにあたります。

ただし、幼稚園の設置に関しては都道府県知事に認可権があります。法律上は学校法人でなくとも設置できますが「行政指導」という訳のわからない権限のあるのかないのか判らない「指導」(本当は担当者の「気まぐれ」ではないかと思う時がありますよ。だって時としてして同じ人が全然違うことを言ったりします)によって「わが県は、学校法人以外の設置を認めない」となると、裁判でも起こさないと設置認可が降りないと思います。(憲法に保証された「職業選択の自由」を侵害している、102条で認められているものを、知事権限で認めないのは違法だ、と主張すれば勝訴できるとは思いますが…)

出生率が下がり、幼稚園も定員割れしている現在、はたして新設幼稚園を認可してもらえるかどうか…。ここが一番のポイントになると思います。市の振興計画などを参考に、将来大型の住宅地が造成される地区、幼稚園が不足している地区などを探されることも重要でしょう。子どもがいなくては幼稚園は成り立ちませんから…。
それから…現在では最低でも1億円の予算(私財)がないと学校法人は設立できません。土地の高いところですと、これが2億・3億になるでしょう。この点「予算確保」も大切なポイントです。

日本の教育の歴史は、明治維新に設立された「私塾」が原点です。その私塾で学んだ若者が、今の日本の基礎を作ったことを考えますと、私立学校の歴史が日本の教育の歴史といっても過言ではないと思います。キャプテン翼さんの理想とする教育ができる日が来ること、私も楽しみにしています。大きな夢に向かって一生懸命進んでください。応援してますよ。

(アドバイザー:井上智賀)




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