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言葉がけの与える影響や、注意点、体験例など教えてください |
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私は幼稚園教諭を目指している大学四年生です。 今、言葉がけについて勉強しています。 保育者の言葉がけが子供にどのような影響を与えるか、言葉がけの際に気を付ける事、言葉がけで失敗した事、成功した事など、言葉がけについてどのようにお考えですか? 実際の体験例などがありましたら、そちらも教えて頂けるととても嬉しいです。 お忙しい中、申し訳ありませんが宜しくお願いします。 これからも、もっと勉強して今年幼稚園に就職出来る様に頑張りたいと思います!
(かおり さん)
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こんにちは、高橋良尚です。
さて今回のご相談ですが、「言葉がけ」難しい事ですよね。
まず言葉がけとは、なんでしょう?呼んで字のごとく、言葉をかけることですよね。ただ、これを保育者が・・・とか、子どもに対して・・・・といったように、難しく考えすぎているのではないでしょうか? かおりさんは普段の日常で人と話すときにどんな事を考えていますか?それとおんなじことでいいと思います。 まあ、相手が子ども達ですし、自分は保育者な訳ですから、最低限気をつけること、気を配る事はご存知なのでは?と思います。 こういった職業を志されているわけですから、自然と思い浮かぶのではないでしょうか?その程度でいいのではないでしょうか?僕自身、子ども達と関わるときに、「こんな言葉がけや、あんな言葉がけをしよう!」なんて思ったことはありませんし、保育者として、また人間として完成しているわけではないですから、「こう言ってしまって失敗したな・・・」とか、「こういうように伝えてわかってもらえた!」という失敗&成功例はたくさんあります。
僕自身、言葉使いは良いとはいえません。保育者としては良くない部類の言葉使いだと思います。 ただ、そんな言葉使いでも、話し方や態度、自分の発する空気と言ったものを子ども達は敏感に感じます。 それが、結果として良い方向に向いてくれればよいのでは?などというように僕は自分の都合の良いように勝手に解釈していますが。(笑) 実際にあった例をひとつ・・・・・昨年度勤めていた園の園長先生に一度だけ、「くん、ちゃんを付けて呼ぶように、呼び捨てにされる事で怖がる子ども達もいるから・・・」と言う注意を受けました。 その際、僕自身は「なんと的外れな事を言ってるのだろう、普段の自分の関わり方をいかに見てもらってないのか!」と強く感じ、それも職を辞す一つの原因となりました。 呼び捨てをされると怖がったりする子がいることは事実ですが、逆にそれで親しみをより大きく持ってくれる子もいます。 僕自身は子ども達の持つ空気、自分の持つ空気、それを感じ取って、呼び捨てにする子、くん、ちゃん付けをする子、あだなで呼ぶ子、いろいろといました。 それなのに、僕が子どもを呼び捨てにしている一部分を見て、言われたのですから、その際のショックは大きいものがありました。 園長先生は、部外者の方が見られた際ののイメージ等を気にしておられるようでしたが、そういったことも言葉がけを考える際に出てくる問題ですよね。 それ以降も僕は自分のやり方を変えませんでした。それがひとつの答えだと僕は思うので・・・。 がんばって、素敵な先生になってくださいね。
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(アドバイザー:高橋良尚) |
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かおりさん、こんにちは!(^^) 保育士の遠藤です。
言葉がけを意識なされるなんて、素晴らしいですね。
大人同士でもコミュニケーションは大切なように、子どもとの関わりも、ただ遊んであげていれば良いというものではないので、こういった疑問を1つ1つ解決して、少しでも将来に役立ててくださいね。
私からは1つだけ、過去、心掛けていたことをお話させていただきます。
現場では、「あの子が、どこどこで、こういうことをしているから、そういうときは、こういう言葉がけをすれば良いんだな!」なんて考えている時間はないに等しく、ほとんどの場合が瞬間瞬間に思いつくままに、誰もが言葉にしてしまっていることが大半です。
そういう時って、何によって言葉がけの質がかわってくると思います? 答えは、先生自身の心の元気度です。
もちろん、普段からのその先生の勉強ぐあいや、子どもを見守る姿勢で言葉がけの質は、誰にでも向上せさせていくことができます。
でも、やっぱり先生も、身体の疲れと共に、自分の気づかないところで心も疲れてくるんでしょうね。
私的なことを職場に持ち込んだつもりはなくても、朝から何だかイライラしているとき、、、そんな日は本当に何でもない時の何気ない一言が、子どもにとってはきつ〜い一言になってしまうことがあります。
「非言語」という言葉があります。 人と人とがコミュニケーションをとる上で声に出す”言葉”以外に、表情や態度に表れる”言葉”のことです。 子どもは、そういった非言語を敏感に感じ取ります。
どれほど、きれいな言葉を投げかけたって、身体で別の言葉を語ってしまっては、全てが台無しなのです。
いくら幼稚園の先生だといっても、いつもいつも、子ども達の前で笑顔でいられるわけではありません。
でも、子どもと接しているとき、たまには、ちょっとだけ自分の心も観察するクセを身に付けてみてください。 そしたら、きっと、子どもに適切な言葉が口をついて出てくると思いますよ。
ご相談ありがとうございました。
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(アドバイザー:遠藤登) |
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こんにちは。樋口夕子です。 言葉がけについて、私が学んだことは「わたしメッセージ」を使うということです。
例えば、話を聞かせたいのに、騒いで聞かない子供がいたとします。 そういう時、「おしゃべりしゃ駄目でしょう」「静かにしていて」と言うのではなく、「先生がお話してるときは、ちゃんと聞いて欲しいの」や「おしゃべりされると先生のお話がみんなに聞こえなくて、先生困るの」など、自分の気持ちをしっかり相手に伝えるのです。
頭ごなしにしかられたり抑制されたりすると、反発したくなる子もいます。 自分がどう思っているかをきちんと伝えれば、小さい子でもわかってくれますよ。
また、転んで泣いているとき、我慢させるような言葉掛けをするより、「痛かったね」と相手の気持ちを受け入れてあげるとすんなり泣き止んだりしてました。
ちょっとした一言が、子供の心に大きく響くことがあるので、気をつけたいですよね。
いい保育士さんになれることをお祈りしています。 頑張ってくださいね!
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(アドバイザー:樋口夕子) |
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旭幼稚園、副園長の井上です。かおりさん、幼稚園教諭を目指して勉強中、とのこと。ご希望が叶うといいですね。応援してます!
さて、今回のご質問、かなり専門的で、こちらも気合を入れないといけませんね。(もしかしたら卒論の題材ですか?)
幼稚園というところ、それはそれは毎日が新しい発見と驚き・感動・そして…自分の至らなさに反省すること…。この繰り返しです。私も20年以上、幼稚園で幼児にかかわっていますが、未だに勉強中のつもりです。
なぜなら、子どもは1人ひとり違います。その子どもにあったものを、より良い形で提示できるかどうか…。言葉がけひとつをとってみても、「本当に難しいな」と思います。
さて、今回のご質問は「言葉がけについて」ということですが、大雑把に言ってもかなりのパターンがあります。例えば…
1、活動に行き詰まって、新たな展開・別の角度からのアドヴァイスが必要な場合 2、子ども同士の意見が対立してしまい、子どもだけでは収拾がつかない場合 3、新たな活動や事例に、飛び込んでいけなく、誰かに背中を押して欲しい場合
その他、様々な場合があります。これに対しては、その場に合った・その子どもに合った言葉がけをすることによって、活動がスムーズに、そして最終的には子どもが満足感を得られるように、私たちは公平な立場で、(形式的な平等ではなく、実質的に均等になるように)接することが必要と考えています。
1の場合は教師の本領発揮の場面ですね。子ども達が今まで活動していた経過を思い出しながら、「こんな方法もあるのでは?」との形でアドヴァイスします。この時、注意するのは決して「教師の考えを押し付けない」こと。あくまでも活動の主役は子どもです。
2の場合、これはどっちも納得できる方法を考えなければいけません。どちらも正しいのですから…。でも、これが本当に難しい。一応「順番ね」などと言っても、今度は「じゃあ、どっちが先か」で新たな問題を引き起こしますし、「ではジャンケンで」などと言っても「僕が先に遊んでいた」「でも、この方法を考えたのは僕」などとお互い、実に最もな主張をします。でも最終的には「2人の主張はどちらも正しい」「2人が仲良くできる方法はないか」と問い掛けてみて、主張の正当性を認めるのではなく、問題解決の方法を問い掛けてみると、意外にスムーズに解決したりもします。
3、は難しいです。活動に参加していない子ども…。様子を見ていると「参加したい」という意思は見える。「一緒に遊びましょう」という誘いで参加する場合もあるでしょうが、何となく恥ずかしくて飛び込めない。そんな時には遊んでいるブロックや楽器などを、「はい」と言って渡すだけ。これが意外と効果があったりもします。
では私が考えている「言葉がけ」の注意点ですが… 1、子どもが知っている単語を使う 2、子どもが理解できる説明をする 3、心理的に追い詰めない(「逃げ場」を作ってあげる) 4、時には正解を教える必要はない 5、即答性が必要
こんな点でしょうか。1,2は判りますよね? 3は例えば何かトラブルがあったとします。その日の出来事だけを見てしまえばA君の方が悪い。でもA君は、今まで様々な場面で我慢に我慢を重ねていた。だから思わずやってしまった…。こんな場合もあるかも知れません。だから一方的にA君を非難するのでなく、「こんな良いところもあるのに、何故?」「本当に言いたいことはないか」等々、必ず「逃げ場」を用意してあげることも必要と思います。
4は例えば「虹はどうしてできるの?」と聞かれた場合、「これは光の屈折によって…」と難しい自然科学の原理を説明するより、散水ホースを持ち出し、太陽を背にして水をまく。すると小さな虹ができる。何でできるかは判らないこれど、こんな方法を使えばいい。これを体験できるだけで充分ではないですか。 「サンタクロースなんていない。あれはお父さんだ!」と言われたとき。 私は偕星社「サンタクロースっているんでしょうか」という絵本を読みます。子供にはちょっと難しい内容ですが、何となく自分が目にしたものだけが真実ではない。それを察する。これだけで立派な言葉がけと思います。
5ですが、やはり子どもには即答性が必要と思います。例えば「昨日話題になっていた○○は…」ではなく、今。即です。子どもの興味や関心はものすごい速さで移っていきます。だから判らないこと、知らないことに出会っても「明日までに調べておきます」ではなく「一緒に考えましょう。調べましょう」これによって終わりつつあった活動が、新たな展開を見せる場合もあります。
言葉がけとは保育の本質を実現する部分でもありますし、保育者の個性や人間性が最も端的に出るところでもあります。「自分だったら」ではなく、「この子どもにとっては」という視点で考えてあげることが必要ではないでしょうか。
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(アドバイザー:井上智賀) |
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かおりさん、こんにちは。 吉川です。
言葉がけについてですが…。 子ども達と関わるうえでは特に、言葉と態度(行動)を一緒に考えた方がいいと思います。 「がんばろうね」という同じ言葉がけでも、プレッシャーを与えたり、萎縮させたりすることもあれば、やるぞ!とやる気を生み出すこともあります。 愛情があれば何を言ってもいいという訳ではありませんが、愛情がなければ、口先だけで何を言っても伝わらないように思います。
いい具体例が思い出せないのですが、先生の一生懸命の子ども達を思う気持ちはきっと伝わると思います。
子ども達の世界は、とてもやりがいがあります。 どうか、頑張って素敵な先生になってくださいね。 応援しています!
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(アドバイザー:吉川純子) |
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