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アドバイザースタッフに聞きたい!

これまでのQandA
幼稚園・保育園 園や担任の先生への不満
目に異物混入、園内の事故だと認めてもらえない
私立の幼稚園に通っている4歳の娘(年少組)が、先日帰宅時にバスを降りるなり、目が痛いと泣き出しました。
連絡帳に自分で目をついたと書いていたので、様子をみてました。翌朝も充血し目やにが出ていたので、眼科を受診。めばちことの診断でした。

3連休でしたので、飲み薬と目薬で様子をみてましたところ、改善が見られなかったので、再受診。目の充血、目やには出ているが、触らない限り、痛みは無いようでした。別の薬を処方してもらったが、改善が見られないため、翌日別の医院で受診したところ、異物混入の疑いがあると、総合病院を紹介され翌日受診。CT検査にて異物が確認されたため、入院して摘出手術を受けました。

園に経過報告をし、保険扱いにして欲しいと申し出たところ、異物(6mmのプラスティック製の玉)が園のおもちゃではないこと、異物が見つかるまでに1週間かかっていること、を理由に、園内での事故であることを認めてくれません。

担任の先生からは「私は園での事故だと思う。園長には伝えているが、聞き入れてくれない。私の立場では、これ以上どうすることも出来ない」との説明がありました。最初に受診した眼科からは「見つけてあげれなくて、申し訳ない」との謝罪がありました。園での事故、管理責任を認め、きちんと謝罪していただくためには、どうすればよいでしょうか?

(かなはる さん)


かなはる さん、御相談いただき御礼申し上げます。旭幼稚園、副園長の井上です。御相談内容、拝見いたしました。心中お察し申し上げます。

先ず最初に法律的なことからお話いたします。
この事例の場合、園の責任を問うには園内の事故(園の過失によるもの)という証明が必要になります。もう一度おさらいしますと
(1)バスを降りるなり泣いて訴えた→少なくとも家庭で起こった事故ではなく、園内、園バスに乗っている間に起きたものと考えられる。
(2)連絡帳には「目をついた」と書いてあった→園内で起こったことであることを担任は承知していた。

このことから、園内の事故である可能性が高いと思われます。次に園の説明を私なりに考えてみますと、

「園内のおもちゃではない」という説明、これは私の園でも、小学生の子どもが遊びに来て置いていったものとか、子どもが持ってきたものなど、私が見たこともないものが、おもちゃ箱に入っていることがありますので、園のおもちゃでない、と主張するからには、そこまで徹底しておもちゃ箱を点検していたのか。していたとするなら、その証明ができるのか。

「事故があったと思われる日から1週間経過していた」というのも、医師が発見ができなかっただけであり、目の痛みという症状が継続していた以上、最初の日にさかのぼって園内事故と推定するのが妥当だと思います。
法的には園内で(園の過失かどうかは別として)起こった事故と推定するのが妥当でしょう。

今までの裁判例を見ますと、子どもが安全で快適な生活ができるよう園内の安全管理を徹底する義務があり、子ども同士のことであっても、それを防止するために担任が見る注意義務がある。だから過失があろうがなかろうが、園内で起こった事故は園の責任、とする例が多いようです。ちょっと幼稚園にしては、厳しい意見ですが、ある意味は当然かも知れません。また、その覚悟がないと幼稚園は運営できないのです。

園内事故として保険申請しない理由ですが、学校健康センター保険は、労災保険などと異なり、事故があったとしても、現地調査がある訳でもなく、園長先生の管理責任を問われ、書類送検されるわけでもありません。なぜ申請しないのか、その理由がわかりません。

多分、謝罪すると慰謝料などを請求されるのが恐いからでは?と推測します。もしかしたら、過去に園内事故で保護者とトラブルがあったため、園内事故と認めることに対して慎重になっていることも推測できます。
余談になりますが、ある園では、子どもが遊具から転落して腕の骨を折った。その子どもの父親から「プロ野球のピッチャーにしようと思っていたのに、園内の事故でそれができなくなった」と言われ、慰謝料300万円払わされた、という話を聞きました。こんな例は特殊でしょうが、保護者の方がどんな考えでいるか、わからない以上、慎重になるのも同じ経営に携る者として、ある程度はわかります。

そんなこともお含みおきのうえ、慰謝料とかそういうものは全く考えていない。単に園内で起こったこと、ということを認めていただき、保険の申請だけをお願いしたい、ということを正直に直接園長に言うしか方法がないように思います。どうしても納得できないのであれば、弁護士をたてる、等々の方法もあろうかと思いますが、そこまでしなくとも話し合いで解決できると思います。お互い、誠意をもって対応してみれば、道も開けるのではないでしょうか。

(アドバイザー:井上智賀)




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