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声をあげて笑わないんです、もしかしてサイレントベビー? |
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今とても心配なことがあります。 現在6ヶ月の息子のことなんですが、声をあげてわらわないのです。 あやしたり、喜んだりすると顔では笑っていますが(あと手足をバタバタさせています)声を出して笑うということはしません。 よその子と比べてはいけないとは思うんですが、よその子は声をあげてケタケタ笑うようです。 母子手帳の3〜4ヶ月のところにはあやすとわらうという項目は声をあげて笑うということなのでしょうか? 息子はサイレントベビー?もしかして障害児?と心配になってしまいます。 これは心配しすぎなのでしょうか? 相談できるところもなく毎日悶々として過ごしています。 こんな私の相談にのってください。 よろしくお願いします。
(ちびまま さん)
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ちびままさん、こんにちは!(^^) 保育士の遠藤です。
お子さんの日常の反応を、ちびままさんが、とても細かく観察して気にかけていらっしゃる様子が伝わり、素晴らしいと感じます。
ご質問にもある「母子手帳の3〜4ヶ月」前後の赤ちゃんのことから考えてみましょう。 産まれた当初から赤ちゃんは、基本的に「心地よいこと」「不快なこと」の2つに関して、とても敏感です。 それは赤ちゃんにとって全てが「生きること」につながっているためです。
例えばお腹がすいたとします。 最初のうち赤ちゃんは、「この不快感は”お腹がすいているためだ”」なんてことは解かりませんから、その何とはなしに感じる「居心地の悪さ」を訴えて泣きます。その”泣く”行為を見て、お母さんが「お腹がすいていること」と判断してミルクをあげます。 それによって赤ちゃんは、お腹が満たされて「心地よさ」を得ます。 その心地よさを、お母さん・お父さんも感じ取って、喜ぶと同時に我が子への愛情の再確認をし、何度となく、そうした親子の交流が繰り返されていくことになります。
産まれて2・3ヶ月たった頃から、赤ちゃんの首がすわります。 頭を自分で動かせるようになったり、身体を起こす機会が増えることで、飛躍的に赤ちゃん自身の世界観が広がります。 また、それまでに繰り返されてきたお母さん、お父さんとの交流もあって、産まれた当初に感じていた「おしっこ」「うんち」「空腹」といった、時間がくれば訪れる直接的な「快・不快感」”以外”に対しても、「心地よさ」や「居心地のわるさ」を感じ取れるようになります。
そうして「あやされる」ことが、「心地よい」こととして感じられるようになり、ちびままさんのお子さんのように、「顔で笑って」・「手足をバタバタさせて」というように身体全体で微笑みを返すようになります。
さて、ご心配のサイレント・ベビーというのは、声の出る出ない以上にまず「無反応」に近い状態が見受けられるようになります。 普段から特に泣くことも少なく、表情に乏しいなどといった状態が続くようでしたら、専門家の診断が必要かもしれません。
頭では解かっていても、ご近所のお子さんや、お友達のお子さんなどと比べてしまうことは、誰でもあることだと思います。 「保育ing」のようなインターネットなどの情報源を、たくさん活用してゆっくりと「子育て」をしていってくださいね。
ご相談ありがとうございました。
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(アドバイザー:遠藤登) |
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こんにちは、ちびままさん。 望月令子です。 子育てしていると、いろいろ考えちゃいますよね。 でも、あやしたときに顔で笑っているのでしたら、「楽しい」「うれしい」気持ちを表わしているのですから、大丈夫だと思います。
泣くときは声を出して泣いていますか? 普段のときに、「アー」とか、「ウー」とか声を出しますか? 声が出ているのなら、笑うときにもだんだん声が出るようになるのではないでしょうか。 ちびままさんも意識的に声を出して笑ってあげてはどうでしょう。
それから、心配なことがあったら、自治体の広報誌などをみて、保育相談などを探してはいかがでしょう。 実際にお子さんを見ながら話を聞いてくれるので、すぐに安心できると思いますよ。 一人で悩まないで、気になることは、早めに解決しちゃいましょう!
保育相談はお母さんの心のケアをする目的でそれぞれの自治体がしていると思います。 でも、子育て中は気が付かないものですよね。 ちょっと気をつけて探して、どんどん利用してみましょう。
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(アドバイザー:望月令子) |
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旭幼稚園の井上です。ちびままさん、さぞご心配のことと思います。ちびままさんがご指摘になりました「サイレントベビー」というのは、「今赤ちゃんがあぶない」などの著書がある山口県の小児科医、柳沢慧先生が発見され、命名されたものです。 ちょっと長くなりますが、サイレントベビーについてお話させていただきます。
サイレントベビーとは表情が硬く、笑いの少ない赤ちゃん、泣くことをしない赤ちゃんのことを指します。赤ちゃんは泣くことによって自分の意志を表現します。お腹がすいた・おしりが濡れて気持ち悪い・熱がある…。赤ちゃんだってコミュニケーションをとりたがっているんです。 でもお母さんがその信号を無視していると、赤ちゃんはいくら自分が訴えても気付いてくれないことを悟り、泣くことをしなくなる…。 つまり自閉症などの病気とは異なり、環境によって引き起こされたものなのです。 柳沢先生が「待合室で妙に静かな赤ちゃんがいる」と気付いたのは十数年前だそうです。現在「すぐ切れる若者」「荒れる17歳」などと言われていますが、ちょうど時期が重なります。
柳沢先生はこう警告しています。 「乳幼児期に親子のかかわりを取り戻すことが大切。成人までこの状態を引きずったら大変なことになります。赤ちゃんの時期だったら、『あやす・話し掛ける』等、普通の育児をすればすぐに改善できる。だからこそサイレントベビーを警告しているんです。核家族化や紙おむつ、パックされた離乳食などによって育児環境・文化が大きく変わった。育児は簡単になった反面、育児の知恵を世代間で引き継ぐことがなくなってきた。便利さの代償として、子どもとかかわる機会が減ったことによって『静かな赤ちゃん』が登場したのではないか」
そしてまた私達保育に関わる者に対しても耳の痛い警告をしてくださいました。 「延長保育や病児保育など、国の子育て支援は親から子どもを分離させている。親の利便性ばかりに重点が置かれ、子どもを支援するという視点にかけているのではないか」 と。
サイレントベビーについては以上の説明で大体お判りになったと思います。ちびままさんの場合、ちゃんと親子のコミュニケーションをとっておられるようですので、サイレントベビーではない、と思います。 母子手帳にある「あやすとわらう」というのは、母子のコミュニケーションがとれている、外的な刺激(この場合は「あやす」という行為)に対して反応する、ということと思います。
ですからちびままさんのお子様の場合、ちゃんとこの反応がとれている、ただあまり声を出さない、ということになると思います。声の大きさ、高さなどは個人差のあることなので、あまりご心配なさらず、しばらく様子をみてはいかがでしょうか。赤ちゃんの場合、どんどん成長している時期です。身体だけでなく、身体の内部(器官)も同様です。今は言葉が少なくとも、器官が成熟(完成)したら、堰を切ったように話すようになった子どもの例を私は見ています。(本当に突然、という感じでした)ですから全く言葉を発しない、というのでなければ大丈夫ではないか?と思います。
もし、どうしてもご心配なら保健婦さんにご相談なさるとか、市町村で行っている乳幼児診断などの機会にご相談なさってみてはいかがでしょうか。お母様としては当然のご心配でしょうが、あまり気にしていると、新たなストレスの原因にもなりかねませんので、ここは大きく、どーんとかまえてみてください。
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(アドバイザー:井上智賀) |
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